サーキットで試乗 新型ポルシェ911カレラS(992型) 「911の理想形」

公開 : 2019.01.18 22:55  更新 : 2019.01.18 23:14


どんな感じ?

後輪駆動のSなら、意のままの世界

刷新された様々な技術を認識する前に、カレラSをひとまずコーナーへと走らせる。ポルシェは世界最高水準のドライビングマシンとして、911を実体験として再認識させてくれる機会をわれわれに与えてくれたことは明らかだった。

外観は慣れ親しんだ雰囲気が漂う。991型のオーナーにとっては、少し安心するデザインかもしれない。しかし、電子制御システムの洗練性を高め、機械的な技術レベルも引き上げることで、最新の911が一番、というイメージは固持している。ただ、ポルシェ911のフリークは、実際のところかなりアナログ好きで、ハードコアな指向であったりするのだが。

ステアリングのスピードはややクイックになり、クルマは一層イキイキと感じられる。フロントトレッドが広げられているおかげで、先代991のノーマルグレードが備えていた、コーナリング初期の僅かなアンダーステアが解消している。それを確かめて、エイペックスへと切り込んでいく。

若干ハンドリングで劣る四輪駆動の4Sではなく、後輪駆動のSを運転している限り、まさに意のままの世界が待っている。スタビリティコントロールはオンのままでも、気持ちよくクリーンにコーナリングしていくだけでなく、カウンターを当ててテールを流すことも受け入れてくれる。うっかりコースから外れて、苦笑いをしてしまうまでは。

この911のモデルラインナップが一通り揃えば、恐らく「S」は最もパワーで劣り、安価なグレードになるはずだが、それでも驚くほどに運転が楽しいクルマだ。これほどに会心で懐の深いハンドリングを獲得していると、逆にエンジンの仕上がりに不安を感じるかもしれないが、そんなことはない。

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