ロードテスト BMW X5 ★★★★★★★★☆☆

2019.01.27

100字サマリー

初代X5は、SUV市場の勢力図とクルマづくりに革命を起こし、一躍スターダムへと上り詰めました。あれから20年。BMWの最新技術を集め、群雄割拠の中で王座を奪還すべく生まれた4代目は、面目躍如の走りを見せましたが、多様化するカテゴリーの完全制覇はさすがに難題でした。

もくじ

はじめに
意匠と技術
内装
走り
使い勝手
乗り味
購入と維持
スペック
結論

はじめに

1999年の誕生以来、BMWはこのX5をSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)ではなく、SAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)と呼んでいる。言葉遊び? 確かに。それでも、この新型で4世代を数えるに過ぎないにも関わらず、220万台が売れ、驚異的なまでの名声を確立したのだから、ミュンヘンのマーケティング部門は何をなすべきか心得ていた、と言えるだろう。

これほど成功したモデルの系譜に連なるだけに、コードネームG05こと新型X5は、ポルシェにとっての911やフォルクスワーゲンにとってのゴルフGTIがそうであるように、BMWにおける失敗が許されないクルマだ。実際、新型にかかるクラストップ奪取への期待は、初代とは比べ物にならないほど大きい。初代のE53は、BMWのブランド力に加え、実用性とハンドリングの優秀さで、このセグメントを制したが、状況は変化している。2018年登場の新型において、BMWは快適性を、動的特性のコアに位置付けた。その結果としてフロントウインドーに採用された遮音ガラスは、オプションでサイドウインドーにも装備できる。サスペンションはエアスプリングを備え、ロールの電子制御機構を装着するグレードも設定した。またエアコンは4ゾーン式で、パノラミック・ガラスルーフの面積は拡大されている。

当然ながら、歴代モデル以上に魅力的な走りも、BMWの確約するところだ。果たして、ミュンヘンのエンジニアたちが今回も物理法則を無視したクルマ造りに成功しているのか、それはこれから検証していくのだが。それと同時に、新型X5には自動運転技術がふんだんに盛り込まれており、低速であれば人的インプットなしに走行可能だ。また、ドライバーが周囲への注意を怠っていないかを監視するデバイスとして、従来のステアリング操作センサーに替えて、車内向けカメラをはじめて導入した。

ラグジュアリーで実用的、そして走りも楽しめる。それらは矛盾する要素にも思えるが、X5をカテゴリーの王座に就けようというなら、BMWはそれらのブレンドをみごと成立させなければならないのである。

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

 
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