回顧録 ミドル級ミドシップ対決 ケイマンR vs エヴォーラS 後編

2019.01.28

限界域でも満足の挙動

荒れた路面では確かにケイマンRのほうが先にシャシーの路面追従性の限界に達してしまうし、実力の深さに驚かされるという点ではエヴォーラSに負けているかもしれないが、走る楽しみに欠けていたりは絶対にしない。

グリップの持続力やアンダーステアへの抵抗力ではエヴォーラSのほうが優っている。スロットル操作できれいにニュートラルステアを維持できるバランスのよさでも上だ。一瞬、ブレーキを踏むかアクセルを抜くかしてから思い切り加速すればきれいにテールスライドに持ち込むこともできるし、そのときの挙動も御しやすい。

かたやケイマンRは、アグレッシブなデフを搭載するおかげで、上記のような局面での挙動はいっそう機敏で鋭い。限界のなかでの走りは実に満足のいく水準に達しており、速さも十分だ。限界に達するとアンダーステアに移行するが、アクセルやブレーキを操ってテールスライドに持ち込む起点としては、むしろそのほうが好ましいともいえる。

そうしてやれば、エヴォーラSのように底知れぬ楽しみとまではいかないが、シャープで手応えに満ちた走りを満喫できる。ケイマン版GT3だと思っていたらやや肩透かしだが、ケイマンSに10〜15%の魅力が加わったクルマと表現するならば間違いではない。

 
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