試乗 ヒュンダイi30ファストバックN 274ps 低価格/低いルーフ以上の魅力

公開 : 2019.01.31 10:10  更新 : 2021.03.05 21:37


調和の取れないシャシーセッティング

走り出してみる。まず、今のクルマにつきもののドライブモードだが、ふたつのボタンを用いて5通りの設定が可能となっており、少しややこしい。さらに「カスタム」モードを選択すれば、パワートレイン、サスペンション、ステアリングの設定をそれぞれ自由に組み合わせることができる。

セットメニューの設定は、ノーマル、スポーツ、Nモードから選択できるが、i30ハッチバックNと比較すると柔らかく、落ち着きが出ているようだ。クルマの動きも漸進的な印象で、一般道での走りを考えると朗報だといえる。だが走行シーンにもよるが、i30ファストバックNの走りとドライブモードの設定とが、いまひとつ調和していないように思う。

スポーティなモードを選択しても、ハッチバックのようにステアリングは鈍く、乗り心地はぎこちなく不必要にアグレッシブな印象が拭えない。ノーマルモードなら素直さは増すが、蛋白で魅力には欠けている。ただしカスタムモードを選択し、サスペンションやステアリングの設定を最適なものに調整すれば、クルマの挙動は修正できる。その作業はなかなか複雑なものだけれど。

設定さえ決まれば、ステアリングの重さだけでなく、直進性やシャシーレスポンスなど、優れたドライビングフィールを味わうことも可能となる。ライバルほど横方向のグリップが高いわけでもなく、ハンドリングも意のままとはいえず、繊細でバランスの取れたクルマというわけではない。しかし、シャシー性能はこの価格を考えれば秀逸の仕上がりで、速めのペースのドライビングも積極的に楽しめるとは思う。

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