ロードテスト アルファロメオ・ステルヴィオ ★★★★★★★★☆☆

2019.02.09

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

走り ★★★★★★★★★☆

2016年、アルファロメオはジュリア・クアドリフォリオで0-100km/h=4秒切りを謳い、世間の熱視線を浴びた。もっとも、われわれが2017年に、ローンチコントロール機能なしのテスト車で計測した結果は4.5秒に留まったが。今回のステルヴィオはこれと同じエンジンを積むが、ウェイトは231kg重く、何より背の高いSUVだ。ジュリアのスコアを上回ろうはずがない、と当然ながらわれわれは予想した。まさか、それが間違いだったとは。

ローンチコントロールを備えていないのは、ステルヴィオ・クアドリフォリオも同様だ。しかし、寒く湿っぽい日のテストコースでも、その必要性はそれほど感じさせない。DNAプロのセレクタースイッチをレースモードに入れれば、トラクションコントロールがカットされる。ギアボックスは、レッドゾーンに達しても自動でシフトアップしないようマニュアルモードに。スロットルペダルは最大トルクを発生させる分だけ、ブレーキペダルは目いっぱい、それぞれ踏み込んでエンジン回転を2000rpm以上に高めると、駆動系は準備完了。ロケットスタートに向け、残すシークエンスはブレーキペダルから足をどけるだけだ。

後輪がわずかにホイールスピンすると、車体はリフトオフ。パドルシフトのタイミングを誤らなければ、このステルヴィオは4秒以下で97km/hに達する。2名乗車での最速タイムは、なんと3.9秒だった。これは、2014年にテストしたマカンターボを凌ぐが、GLC63Sクーペが昨年マークしたタイムには、0-97km/hで0.3秒、0-161km/hで0.5秒、0-400mで0.2秒、それぞれ及ばなかった。残念ながらアルファロメオが、このレースでポディウムの頂点を飾ることはできなかったが、それでも王者と変わらぬ喝采を送るに値する。

この賞賛すべきエンジンは、真に速いパフォーマンスカーのそれだ。そのサウンドはソウルフルで、美しい旋律を奏で、野性味に満ちており、強力なV6のみが発し得るものである。中速トルクは、高いギアや中回転域でも走りを活発に感じさせるに十分。最後の2000rpmほど、つまり5000〜7000rpmでは、凶暴なまでに制約のない炸裂ぶりを見せる。それはまさに、直接的にではないとしても、フェラーリが手がけたターボユニットでなければ望めないフィールだ。

8段ATは、マニュアルモードではギアチェンジが速く、さらに使いやすい。時としてDレンジでの完璧な変速タイミングを求めたくなるが、概してそれは、スロットルペダルの踏み込みがグッと深い場合と鋭く踏んだ場合で差が出やすいのだ。

それでも、このクルマの走りが満点を取れなかった理由は、移り気なバイワイア式ブレーキに尽きる。ジュリア・クアドリフォリオでも気づいたことだが、自然なペダルフィールに欠け、利き過ぎや過敏さを見せることもあれば、奇妙なほどデッドになることもある。テストカーが装備していたオプションのカーボンセラミックディスクも、この問題の一因かもしれない。また、やや濡れた路面では、その強力なストッピングパワーが発揮されず、113-0km/hブレーキングでの制動距離は55mほどという期待外れの結果に終わった。

テストコース

四輪駆動システムはリアにトルクベクタリング機構を備えるディファレンシャルを組み合わせ、ジュリア・クアドリフォリオと同様に異様なほどのハンドリングを見せる。少なくとも、コーナリングの初期段階においては。

ターンインは非常にクイックで、過大な横荷重がかかるまではほとんどロールしない。一方でシャシーの頭脳部は、パワーをかけるにつれて、グリップ限界を超えるに足る駆動力を後輪へと伝達しようとする。その後はトルクを、リア外輪への分配が過剰になる前に、急速ながらも連続的に前輪へも送り込む。

リアデフの効果は、常にハードなサスペンションとあいまって、オーバーステアになったりそれを打ち消したりを急激に行う。このドライブトレインの作動ぶりは、スライドし始めても大きくカウンターステアを当てる必要がほとんどないほど素早い。もしも望めば、スタビリティコントロールはエンジンのトルクを厳密にチェックし、一糸乱れぬ走行ラインや挙動を保ってくれる。

T1で起きるトランスミッション由来の突き上げは、アダプティブダンパーをハードモードにしたままでも吸収してもらいたいところだ。

シャシーのレスポンスはT2手前でニュートラルステアに持ち込めるほどクイックだが、四輪駆動システムは、極度なオーバーステアに持ち込むことを拒む。

サスペンションは、逆バンクに陥るT4を回る間も、ボディの傾きやふらつきを防ぐ。

発進加速

テストトラック条件:湿潤路面/気温9℃
0-402m発進加速:12.3秒(到達速度:186.2km/h)
0-1000m発進加速:22.4秒(到達速度:236.9km/h)


メルセデスAMG GLC63Sクーペ(2018年)
テストトラック条件:乾燥路面/気温17℃
0-402m発進加速:12.1秒(到達速度:185.7km/h)
0-1000m発進加速:22.3秒(到達速度:234.6km/h)

制動距離


テスト条件:湿潤路面/気温9℃
97-0km/h制動時間:3.31秒


メルセデスAMG GLC63Sクーペ(2018年)
テスト条件:乾燥路面/気温17℃

 
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