[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

回顧録 歴代911比較試乗 最新は最良なのか

2019.02.09

タイプ997カレラ4S(2005年型)

タイプ997に対する歴史的な評価がどうなるのか、今後が楽しみなところだ。おそらく大多数の意見は好意的で、敬意のこもった評価となるのだろう。この南カリフォルニアを走っていても、タイプ997を設計したティームのモチベーションが、初代をデザインしたスタッフのそれを忠実に反映していることがわかるはずだ。

同じクラスにライバルの存在を許さないほどの素質と個性を備え、同時に一定レベルの洗練された実用性を保ちながらも一切の妥協を排したドライバーズカーを造ろうとした情熱は、1963年に初代911に込められたそのままの形で、タイプ997の奥底に明確に見て取ることができる。

新型に取って代わられた現在でも、このクルマはほとんどの点において驚異的なほどモダンなままである。基本的な設計が始まったのは1998年にまで遡ることを考えると、本当に感嘆するしかない。

今、運転してみても、ダッシュボードの素材やエルゴノミクスにだけ目をつぶれば、なぜポルシェがこのクルマをフルモデルチェンジする必要があったのか、不思議に感じられるはずだ。そしてその疑問は、タイプ991を実際に運転するまで決して解けることはないだろう。

また、前期型は旧タイプのフラット6エンジンを使っていた最後のモデルだったことも忘れてはならない。2009年以降は完全に新設計された、よりシンプルで製造コストが安く、その代わりに個性は大幅に失った直噴エンジンが導入されている。もしかすると、あえて2009年以前のモデルを選ぶのが、タイプ997選びのひとつの流儀として定着していくのかもしれない。

スペック

新車価格 1387.0万円
最高速度 288km/h
0-100km/h加速 4.8秒
車両重量 1520kg
パワートレイン 水平対向6気筒3824cc
最高出力 355ps/6600rpm
最大トルク 40.8kg-m/4600rpm
ギアボックス 6速MT
 
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