試乗記

2019.02.09

回顧録 歴代911比較試乗 最新は最良なのか

ポルシェ911

タイプ964カレラ4 30周年記念モデル(1993年型)

911シリーズの平均的需要からすると964は、少なくとも欧州ではとくに不人気なモデルだ。スタイルは悪く、それまでの旧型に比べて個性的なわけでもなく、あとに続く新型のように走行性能に優れてもおらずで、投資するに足る説得力に乏しいというのがその理由である。

そういう先入観もあって、このクルマは今回集めた歴代911のなかでも、うまく運転できなかったとしても大して悔しくないモデルの筆頭に挙げられるだろう。しかし実際には、ここに揃えたクラシック911のなかでもとくに傑出した一台である。根拠は以下のとおりだ。

装備するトランスミッションはタイプ930カレラの最後期モデルから与えられたゲトラグ社製のG50であり、ギア比が変更されたおかげで格段にシフトワークが楽しくなっている。さらにツインプラグの3.6ℓエンジンによって走りも並外れて速い。また、リアのトレッドが拡大し続ける以降のモデルと違い、最近ではCセグメントカーでさえためらわれるような狭い道幅でも平然とすり抜けられる。

加えてカレラ4でも強烈なアンダーステアは顔を出さず、何よりギアボックスが鈍重な4段ティプトロニックでもない。そういう911が、歴代中もっとも低い評価(繰り返すが欧州市場での話だ)のおかげで、低走行距離で状態のいいマニュアルのカレラ2クーペでさえ、かなり手頃な値段で手に入るのだからうれしい限りだ。

スペック

新車価格
最高速度 260km/h
0-100km/h加速 5.7秒
車両重量 1470kg
パワートレイン 水平対向6気筒3600cc
最高出力 259ps/6100rpm
最大トルク 31.6kg-m/4800rpm
ギアボックス 5速MT
 
最新試乗記