回顧録 Dセグ対決 BMW 3シリーズ vs メルセデスCクラス 後編

公開 : 2019.02.16 16:50

キビキビとした3シリーズ

スケジュールがタイトな試乗ではよくやるのだが、今回もまた特定のコーナーを往復運転して写真撮影を行った。かなり難易度が高くて路面も荒れている3kmほど続く道を1台のクルマで走り、終点でUターンして戻ってくる。

途中の側溝に陣取って撮影しているカメラマンからOKが出るまで、それを飽き飽きするほど繰り返すのだ。それからもう1台のクルマに乗り換えて、同じ行程を再びうんざりするまで繰り返す。作業としては単調でつまらないが、手っ取り早く限界まで何度も攻められるこの走り方では、30分の巡航よりもはるかに多くのことが明らかになる。

最初に走らせたのは、そのときにたまたま近くに駐めていた3シリーズのほうだった。カメラマンを撮影地点に降ろして走り始めると、じつにキビキビしていることに気づいた。速さに関しては説明不要だろう。BMWから公表されているこの8段AT仕様の0-100km/h加速は7.6秒だが、同社の公称値はたいていのクルマで控えめだ。

エンジンはとても静かでスムーズに回り、しかも5000rpmまでよどみなく吹け上がる。トランスミッションはスロットルペダルの踏み加減に応じてインテリジェントにタイミングを見計らい、正確にシフトを行ってくれる。

アダプティブダンパーの設定によってドライブトレインに生じるフィールの変化はなく、この完璧からはほど遠い状態のアスファルトの上を、3シリーズは俊敏かつ熱烈に走り抜ける。

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