回顧録 Dセグ対決 BMW 3シリーズ vs メルセデスCクラス 後編

公開 : 2019.02.16 16:50

番外編:もう1台のライバル、アウディA4

ハイブリッドや純然たる電気自動車がこのところの流行だが、アウディは内燃機関からまだはるかに高い効率を搾り出せると確信しているようだ。実際にアウディの本拠地で試乗した8代目のA4からは、彼らのそういう意思が感じ取れた。

まず外観では、金属製のボディパネルには何も手を加えられず、樹脂パーツが少々変更されている。具体的にはバンパーとエアインテークの造形が微妙に変わっており、前後のLEDデイタイムライトもより上品なルックスにされた。同様にインテリアも、色とトリムが控えめに変更されている程度だ。

一方、メカニズム的な面では大きな変更があった。ターボディーゼルエンジンのラインナップ改訂である。6種類が用意され、エントリーレベルの4気筒136psから始まって、ハイエンドは245psのV6にまでいたる。そして燃費性能だが、この最近数年、アウディは特筆するようなエンジニアリング上の劇的なソリューションを講じることなく、徐々に燃費を向上させてきているが、今回も大幅な改善が達成されている。

たとえば、英国では長期的にもっともポピュラーなエンジンの選択肢となるとアウディが見込んでいる136psの2.0TDIでは、CO₂の排出量は120g/kmから112g/kmにまで大幅に減少している。混合サイクルでの燃費は23.3km/ℓと驚くべき数値で、これはたとえばホンダのハイブリッドであるインサイトよりも優れており、そしてトヨタプリウスと比べても決して引けは取らない。

そして、実際に走ってみてダメなクルマなら、そんな数字にはなんの価値もないところだが、新型A4はそういうクルマではない。低いギア比でクロスレシオとしたトランスミッションによって低速でのレスポンスは鋭く、さらに高速道路の流れに乗っても多段化の恩恵でストレスを感じたりはしない。

アウディによれば、このTDIによってクルマ全体のリファインもさらに向上しているとのことだが、試乗した限りでは、このクラス最高のリファインとは感じられなかったというのが正直なところだ。

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