試乗 シトロエンC5エアクロス・ピュアテック180 ユーティリティ重視のSUV

公開 : 2019.02.21 11:30  更新 : 2021.03.05 21:42

素直に褒めにくい走り味

リアシートの広さも平均的。3名分の独立したシートが備わってはいるが、一番後ろにスライドさせても、膝周りの空間の広さはそれなり。わたしの身長は180cmくらいで、英国人としては、とりわけ身長が高いわけではないのだけれど。頭上空間も同様だが、今回のテスト車両のフレア+というグレードにはパノラミック・サンルーフが装備されていたから、少し天井が厚いことも関係しているだろう。

そのかわりラゲッジスペースの容量はトノカバー下で580ℓもあり、かなり大きいといえる。ちなみにプジョー3008は、同じ条件で520ℓとなる。さらにC5エアクロスの場合、リアシートを一番前方までスライドさせれば、720ℓもの大空間となる。利便性は高そうだ。

走り出してみても、長所と短所が混在している。少なくともエンジンの印象は良い。クルージング時の存在感は控えめながら、不快な部分がないところがその理由。車内にいるとエンジン音は殆ど聞こえず、シトロエンが遮音性についてはしっかり仕事をしたということが伝わってくる。1430kgと比較的軽い車重もあり、加速の面でもまずまずだといえる。

しかしアクセルを深く踏み込んで、回転数が上がるにつれて、息苦しそうなエンジンノイズが響いてくる。もっともC5エアクロスの場合、積極的に飛ばして走るというより、リラックスしたファミリー・フレンドリーなドライビングスタイルが一般的だとは思う。8速ATの反応は、追い越し加速などでアクセルを深く踏み込むだけでなく、発進時での強めの加速でもどこか変速に躊躇しているような印象がある。一度走り出してしまえば、滑らかに変速はしてくれるのだが。

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