結論　★★★★★★★☆☆☆

「魅力的で興味深いが、その中身はルックスほど素晴らしいものではなかった」

見た目で判断すれば、シトロエンC5エアクロスには好ましい点が多い。デザインはおもしろく、止まっていれば実にいい。しかもマテリアルは適材適所で、考え抜かれた設計のインテリアは、後席も荷室も広い。2段式の荷室フロアや3座独立フォールドが可能なリアシートを備え、室内のアレンジも使い勝手が際立つ。

前席もまた、広さや快適性は十分過ぎるほどで、そこからくるメリットは大きい。一風変わったメーターはクールで、広々したシートは気持ちよく走れる。リーズナブルな価格は、購買意欲をそそるものだ。

しかし、好材料を挙げるのはそこまで。それ以降、シトロエンの旗色がよくなることはない。走らせ方における矛盾は、くつろいでゆったりした乗り心地にも傷をつけるものだ。ソフトなのは大いに結構だが、それがドライバーの入力を調整させるとなれば、より乗り心地の硬いSUVよりリラックスできるものにはならない。そして、硬い乗り味のSUVの方が、走りにこだわるドライバーに与えてくれるものが確実にある。好ましい点もあるが、そうした欠点により、C5エアクロスは響くクルマではないといえる。

担当テスターのアドバイス

サイモン・デイヴィス

空調関連のコントロールがすべてタッチパネル式となるのは嬉しくない。実体スイッチより操作しやすいものに出会ったことがないのが一番の理由だ。このC5エアクロスも、その点では例に漏れない。

マット・プライヤー

コンソールのスペースを稼ぐために、電気式パーキングブレーキを採用するのは納得いかない。そこまでしながら、ハンドブレーキと変わらないような大きさのシフトレバーが鎮座しているのだから。

オプション追加のアドバイス

もしもボディにダークなカラーを選んだら、さまざまなカラーが用意されたエクステリアのアクセサリーを活用したい。フレアとフレア・プラスの各グレードでは、無料で選択できる。オフロード走行をしないつもりなら、4000ポンド（約60万円）のグリップコントロールは装備しなくて構わない。

改善してほしいポイント

・ステアリングはもっと首尾一貫したものにしてほしい。
・トップエンドのエンジンなら、カタカタいうノイズは低減を。
・いくつかのスイッチを、あるべき場所に配置してほしい。

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