アンダー100ps パワーがなくても楽しめる乗り物5種 どれを選ぶ?

公開 : 2019.03.30 07:50  更新 : 2019.03.31 10:32

カサット・スペシャル

お次に登場するこのマシンは衝撃的だ。カサット・スペシャルと呼ばれるこの飛行機はもともと1951年にTWAエアラインのパイロットであったトム・カサットによってエアレースのために設計されたものだ。この小さな胴体はスティールチューブ・スペースフレームにファブリックを貼り付けられている。主翼は木製で、表面にはベニヤ板が使われている。空冷式3.3ℓフラット4のコンチネンタル0-200エンジンを搭載し、固定ピッチの木製プロペラが動力を伝達する。

このシンプルなエンジンの最高出力は100psであり、今回の条件に合致する。空虚重量はわずかに276kgだ。この飛行機の巡航速度は290km/h程度で、VNE(超過禁止速度)は399km/hに達する。たったの100psのエンジンでここまでの速度が出せるというのは驚異的ではないだろうか?

もしあなたが閉所恐怖症だとしたら、この飛行機は合わないかもしれない。コクピットはタイトで、まさに機体を「着る」という感覚だ。操縦は非常に単純だが、着陸はやや難しい。ファイナルアプローチ速度は160km/hに設定されており、軽飛行機としては非常に高速なのだ。

カサット・スペシャルはネバダのレノ・エアレースで名声を獲得した。これはクルマにおけるF1に相当するレースだ。レーシングカーの走りを楽しむためには適切なサーキットが必要だが、それはこの飛行機には当てはまらない。非常に高い機動性を持ち、ループもロールも自由自在だ。

それでいて320km/hで谷間を塗って飛行してみれば、戦闘機乗りの気分すら味わえるだろう。しかもそれが合法かつ、この飛行機のパフォーマンスのすべてを発揮することができるのだ。公道でマクラーレン720Sに乗ったとしても、せいぜいその30%程度しか性能を活かせないではないか。

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