ロードテスト シトロエンC3エアクロス ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2019.04.06 11:50  更新 : 2021.03.05 21:42

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

内装 ★★★★★★★☆☆☆

ひとつふたつの欠点を除けば、C3エアクロスの室内はむしろ好ましいところが多い。2トーンに赤いアクセントが入る広々としたシート、そして思い切ってオールドスクールなスタイルとしたメーター類は、どことなく1980年代のホットハッチを彷彿させる。着座位置はこのセグメントでは高い部類に入り、背の高い乗員はオプションのパノラミックルーフが疎ましく感じるかもしれない。

ダッシュボードの眺めはそこそこだが、中級グレードのフィール以上に装着される7.0インチのタッチ操作式ディスプレイは、視線よりやや低く設置されている。われわれとしては、もうちょっと高くしてほしいところだ。

コクピット周りのデザインは風変わりで、テスト車では送風口などの角を丸めた四角のトリムが口紅のような赤で彩られていたが、カーブしたダッシュボード前面のパネルやステアリングホイール周辺、シフトレバーの周囲にも、鮮やかなカラーやシルバーのアクセントを施すことができる。全体的に見れば、C3エアクロスはおもしろみがあり、エルゴノミクス的にも問題ないといえる。

しかしながら、このクルマの切り札は、小さいボディの割には非常に広い荷室だ。通常時の容量は410ℓだが、後席スライド機構を活かせば520ℓに拡大できる。これはオプションだが、選ぶ価値がある。後席をフラットに畳んだ際の最大容量は1289ℓだ。これらの数字はクラストップで、フォルクスワーゲン・ゴルフすら凌ぐ。さらに荷物を積み込みやすくする高さ調整式フロアや、フルフラットに倒せる助手席が、使いやすさを高める。

主な批判の的は、大きな部分のモールディングのクオリティだ。テカテカして引っ掛かりがある樹脂パーツである。もっとも、アロナのような、このセグメントでも安っぽいことを覚悟しなくていいと思わせるライバルがいなければ、非難されなくて済む部分なのだが。また、かつてテストしたPSAグループのこのクラスのクルマがどれもそうだったように、二次システムの操作系をタッチパネルに組み込みすぎだ。使い勝手を考えてのことだろうが、エアコンの調整を手早くするためには、実体スイッチが必要だ。

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