カーレビュー

2019.04.20

ロードテスト メルセデスAMG GT 4ドア・クーペ ★★★★★★★★★☆

メルセデスAMG GT63 4マチック+

テスト日 : 2019年3月13日

価格 : 12万1350ポンド(約1820万円)

操舵/安定性 ★★★★★★★★★★

四輪駆動と四輪操舵、トルクベクタリングとシャシーの電子制御デバイスを組み合わせ、AMGが引き出した結果はある種の魔法のようだ。このGT63は2座GTほど俊敏ではないが、ドライビングがより甘美なのはこちらだ。さらに、速度域を問わずキャパシティを制御できているように思える。

サスペンションは3段階に切り替え可能だが、大きく変化するものではなく、基本的なセッティングが上々のしなやかさを備えている。同時に、これほど大きなクルマとしてはロールやピッチがかなり少ない。また、そうした挙動が出ても素早く、きっちり抑えられる。

このことは、ステアリングの強固な基盤にもなっている。ギア比はクイックで、ロック・トゥ・ロックはたった1.8回転、そして手応えも申し分ないそれを、ベストな状態で操作できるのだ。進行方向はスイスイと変わり、フィールはナチュラルで、切り始めのナーバスさはない。疑いなく、ラインのキープには4WSの助けがあるものの、実に洗練されており、それが作動しているとドライバーが感知できることはないだろう。逆バンクでもシャシーに不具合はほとんどなく、サスペンションをコンフォートモードにすれば、パワートレインを最もハードなモードにしても、よほど狭いB級道路でない限りは安心して足取りを刻める。これほどのボディサイズで、これほど自信を持って走れるクルマはほとんどない。

このコンフィデンスは、手練れのドライバーならすぐに、コーナーの突っ込みを深くし、脱出も勢いよくできうる類のもの。実際、このGT63は行き過ぎた走りに陥りにくいクルマだ。というのも、途轍もないグリップとトラクションを発揮し、限界を伝える能力は比類なく、ドライバーズエイドをカットして限界を超えても、オーバーステアは適切な度合いで予想もしやすいのである。ハンドリングのアジャスト性は、もっと軽くシンプルなクルマのようで、一般的なスーパーサルーンより明らかに重心が低く感じられる。結果として、その走りは温和であると同時に、綺羅星のごとく素晴らしいものとなっている。

 
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