海外試乗

2019.04.20

狙い過ぎたマツダ・ロードスターのライバル BMW Z1とロータス・エランS2

BMW Z1/ロータス・エランS2(M100)

文・グレッグ・マクレマン 

完璧な重量配分に先進のサスペンション

さて、今回ご登場願ったのはジェフ・ヒューイソンのBMW Z1。乗り込む時に、まずはボタンを押してドアをスライドさせるのだが、美しくサイドシルに格納されるメカニズムはスムーズであるものの、オーバーエンジニアリングとも取れる構造で、クルマの重さも実感できる。例えが古いが、ダンヒルのローラガス・ライターやモンブランのボールペンのように。

直6エンジン自体はいつものBMWのものだから、滑らかで活発に回転し、スムーズで静かにアイドリングする。分厚いサイドシルに囲まれていることもあって、スライド式のドアは下げたままクルマを走らせることも可能。コンバーチブルを初めて運転したときのような特別な開放感を味わえるものの、案外すぐに慣れてしまう。サイドサポートが立ち上がった深く座れるシートのおかげで、コーナーを攻めてもウイリス・ジープのように身体が車外に放り出されることはない。でも、タックイン時と大きなボディロールにはご注意を。

エンジンだけでなく5速マニュアルも堅牢で、積極的に変速したくなる正確なシフトフィールを備えており、楽しさを引き出せるドライブトレインだ。エンジンの回転数を上げれば、英国南部、サウス・ダウンズの海岸線に広がる道を、とてもタイトに走ることがわかる。

エランが搭載する4気筒に付いてるターボは備わらなくても、排気量の大きなBMW製ユニットは驚くほど逞しい。非常に優れたエンジンなことはもちろんだが、6気筒ならではのサウンドが心地よく、アクセルから足を離させなくさせることも一因だろう。

Z1最大のスロトングポイントは、E36に先んじて投入された先進的なサスペンション構造が、完璧な重量配分を持つロードスターに組み合わされていること。実際、コーナーへ侵入していくと、期待以上の深い味わいが返ってくる。まるで、有名パティシエが生み出す風味豊かなスイーツのようだ。メカニカルグリップも充分で、ボディロールが大きくなってもシャシーは完全にコントロールできている。

 
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