[ABARTH 70周年]嶋田智之が、いま見つめるABARTH 595

狙い過ぎたマツダ・ロードスターのライバル BMW Z1とロータス・エランS2

2019.04.20

ロータスならではのハンドリング

ポール・フラーがオーナーの、M100型ロータス・エランに座ってみる。スペックシートの数字だけでなく、ドライビングポジションもドイツのライバルより低く、上下にスライドするドアを持つZ1と比較すると囲まれ感も適度で、インテリアの雰囲気はスポーティ。シートは快適だし、肘周りの空間も充分あり、背の高いドライバーでも不足ない車内高も確保されている。

いろいろな意味でエランは時代を先取りした存在だったが、大きく傾斜したフロントガラスや奥行きが深いダッシュボードを見ると、今でも若々しく感じられる。細身だったエランと比較すると、安定性を向上させるために広げられた、想像以上に幅のある全幅に驚かされる。

M100型のずんぐりとしたプロポーションは、先代のライトウェイト然としたイメージとはかけ離れているが、流石はロータス生まれ。ハンドリングは秀逸でZ1を含む当時のライバルたちよりも、明確に速いペースで大地に延びる道を走り抜ける。

最高速度はエランとZ1ともに218km/hとなっているが、ターボエンジンを搭載するエランの方が加速は素早い。0-96km/h加速で見ると1.4秒の差があるが、実際に走らせてみるとそれ以上の違いが感じられる。実際、80km/h-112km/hの加速時間は、エランが7.7秒なのに対し、Z1は13.2秒と倍近い時間差がある。ロータスのクルージングスピードの高さもさることながら、4000rpm以上になるとターボブーストが掛かり、ほうれん草を食べたポパイよろしく、背中を押し付けられるような加速を見せてくれる。明確なトルクステアを生じながら。

 
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