[ABARTH 124 spider]なぜワクワクする?竹岡圭が検証

ロードテスト ジープ・ラングラー ★★★★★★★★☆☆

2019.04.21

操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆

ジープ・ラングラーを道を選ばないクルマと定義することに、異論はないだろう。予想される通り、伝説的なオフロード性能をもたらすハードウェアは、オンロード性能にわずかばかりの妥協を強いる。先代モデルほどわかりやすくはないが、それでも依然として消えてはいない。野性的ではあるものの、もしかしたらアウディQ5のようなハンドリングも、などと期待していると気が削がれる程度には感じ取れるのだ。

ロック・トゥ・ロック3.3回転のボール循環式ステアリングは、右に左に切り返しを繰り返す際には極めてスローに感じられる。速度が乗ってのハンドリングは、かなりの予測と操作量を求められ、ターンインも直進へ戻すのもかなりの労力を要する。

このスローなステアリングのセッティングは、ラングラーがスピードを上げてもそれなりに安定したクルマだと感じられるに違いないと思わせる。たいていの場合にはその通りになるのだが、ハイウェイを走行するような速度域では、そのボディサイズと、側面の平らな箱型シェイプが風の影響をモロに受けてしまう。諸々の要素が重なった結果、このクルマでは直進させるのも、道なりに走らせるのも、相当の集中力とひっきりなしの修正舵が必要になる。一旦ハンドルを握ったら、片時も気を抜けないクルマだ、と言い換えることもできるだろう。

カーブを抜ける際のハンドリングマナーは、完全に予想した通りだった。大柄のクルマで、ボディが盛大にロールするので、その高さと重さを意識させられる。また、前輪グリップは限られていて、ペースを上げると徐々にアンダーステア寄りになっていくのを食い止めることは難しい。

ただし、こうした批判のほぼすべては、絶対的なオフロード性能を得るための代償だといえる。メカニズムもチューニングも、それを最優先事項としているのだ。ボクシーなボディ形状は、非常に優れた視認性をもたらす。スローなステアリングはオフロードで、強烈なキックバックからドライバーの手首を守るとともに、走行ラインのより細かい修正を可能にする。足元のブリヂストン・デューラーH/Tはオフロード専用タイヤではないが、一般的なミドル級SUVが履くタイヤより、はるかに荒れた道への対応力が高いだろう。

 
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