海外試乗

2019.04.21

プロジェクトXな2台 フィアットX 1/9 ランチア・ベータ・モンテカルロ

フィアットX 1/9/ランチア・ベータ・モンテカルロ

文・サイモン・チャールズワース 

モンテカルロと近似するメカニズム

一方でX1/9のオリジナルは、拡大していたフィアットSpAグループの別部門となる、アウトビアンキが原点となる。1968年にフィアットSpAグループに加わったアウトビアンキは、1969年のトリノ自動車見本市(モーターショー)で極めて現代的な2シーターのコンセプトカーを発表。名前は「ランナバウト」が付けられていた。

特撮テレビ番組サンダーバードでお馴染み、ジェリー・アンダーソンの映像に出てくる小道具のような雰囲気もあり、モーターボートのような楔形のスタイリングをまとったクルマで、デザインはカロッツェリア・ベルトーネ社のマルチェロ・ガンディーニが手がけている。空想世界的な風貌だったランナバウトだが、量産型となったX1/9は、公道走行のために丸く穏やかに、端正なアピアランスを得ることになる。


モンテカルロよりも下のクラスに位置したX1/9ながら、ミドシップ・エンジンにインディペンデント・サスペンションを備えていた点は、モンテカルロと共通。ドライブトレインは、フィアット128をベースに開発されたアウトビアンキA112のものを横置きしていた。

このエンジンもランプレディが設計したもので、排気量は1290ccのSOHC 4気筒。ツインチョーク式のウェーバー製シングルキャブを搭載する点などは、128クーペのユニットと共通している。最高出力は76ps、最大トルクは3400rpmで発生する10.0kg-mだった。X1/9は優れた空力特性から4速がハイギアード化され、最高速度も高めに設定されていた。

1972年のトリノ自動車見本市での発表を計画していたものの、同じタイミングで発表する予定だったフィアット132への注目を集めるべく、延期される。しばらくしてアバルトは、フィアット124に代わるラリーカーの後継モデルとして、このX1/9に注目を当てる。

 
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