[ABARTH 70周年]嶋田智之が、いま見つめるABARTH 595

ロードテスト メルセデスAMG C63 Sクーペ ★★★★★★★★★☆

2019.05.12

100字サマリー

リフレッシュされたAMGの主力モデルはマイナーチェンジながら、英国編集部は検証の価値ありと判断しました。その出来栄えは、近く登場するBMWの新型M4との勝負が楽しみになる、みごとな進化ぶりをみせたのです。

もくじ

はじめに

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

内装 ★★★★★★★☆☆☆

走り ★★★★★★★★★☆

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

スペック

結論 ★★★★★★★★★☆

はじめに

1966年、ハンス・アウフレヒトとエアハルト・メルヒャーはメルセデス・ベンツを辞し、レースエンジンを開発する新事業を立ち上げた。慎ましやかな本社オフィスは製粉所の跡地を再利用したものだったが、彼らの独立は間もなく実を結ぶ。手がけた300SEL 6.8が、1971年のスパ24時間でBMWやアルファ・ロメオのレースカーを下し、総合2位/クラス優勝を達成して世を驚かせたのである。

アウフレヒトとメルヒャー、そして創業地にしてアウフレヒトの故郷であるグロースアスパッハの頭文字を取ってAMGと名付けられたエンジニアリング会社はそれ以来、創業者たちですら驚くような成長を遂げた。いまや、その名を持つF1チームは、ワールドチャンピオンに5度も輝いているのだ。

しかし、AMGの技術力はF1パイロットでなくても、市販車で体験できる。しかも、AクラスがベースのセカンドラインであるA35までもが用意され、ますます手軽にその世界へ足を踏み入れられるようになった。ホットハッチからSUV、専用設計のスーパースポーツまで、考えうるほぼすべてのボディ形状が揃ったAMGの市販車は、70車種を数えるまでに至ったのだ。

AMGの商業的な影響力は大きなものとなった。現在、そのエンジンはほとんどのアストンマーティンに積まれている。1976年以降の本拠であるアファルターバッハでは、ひとり一台のフィロソフィーに基づき大排気量エンジンが生産されているが、ダイムラーAGの販売を支えるばかりでなく、ビジネス全体の視点に立てばマーケティング面での成功も特筆ものだ。世に出るメルセデスの10台に1台はその特別な3文字のイニシャルを持ち、威光を放つサブブランドとしては、商売的にこの上ない有力銘柄となったと言えるだろう。

多様化し、十分な成功を収めてきたAMGだが、今回のテスト車はよりAMGらしい物件だろう。300SEL 6.8のごとく、強力な8気筒を積む後輪駆動車でのC63 Sである。2015年の登場以来、オートカーではW205世代のC63を高評価してきたが、BMWが新型M4を投入すると、AMGはシャシーの強化やデジタル技術の増強でさらなるアップデートを図ってきた。この世代における最上級のスーパークーペ、その前途は洋々たるものだろうか。

 
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