初試乗 ポルシェ911スピードスター 510psの4ℓ自然吸気 受け継がれる哲学

公開 : 2019.05.27 10:10  更新 : 2019.05.29 15:03

カレラ4Sカブリオレ+GT3以上

概要を見てみよう。大雑把にいうと、リアセクションはカレラ4Sカブリオレで、フロントセクションはGT3。カーボンファイバー製のエアロパーツやボンネットは911Rからの贈り物。しかし、巨大なカーボンファイバー製のリアデッキと、クラシックな形状のフロントウインドウは完全なオリジナルとなる。

GT3から借用となる、ガスシリンダーが下側に来る上下逆型のダンパーはやや柔らかく再調整。スプリングレートに変更はない。また4輪操舵システムにも変更が加えられ、巨大なリアウィングがなくなった分、サーキット走行などの高速走行時のスタビリティを高めている。だが、それ以外の全体的なパッケージはGT3のままだ。

フィロソフィーを明確化するために、トランスミッションは一択のみとなる。もちろん、6速のマニュアル。これらを融合させたスピードスターを手にする費用は、若干というより、かなりの資金が必要になる。想定より数百万円は余計に準備しなければならない。

そんな中で最も大きな変更点は、エンジンだろう。GT3の乗り味を決定づけている、水平対向6気筒の自然吸気4.0ℓエンジンを採用している。粒子状物質を濾し取るパティキュレートフィルターが搭載され、モータースポーツ・サウンドは薄れてしまっているが、それでも充分にダイナミック。

フュエル・インジェクションの圧力は高められ、最高出力は500psから510psへと上昇。多くの気化ガソリンを生成するため、スロットルボディも新調されている。ポルシェによれば、本物の過激さと呼べる領域に迫っているとのこと。排気ガスはしっかり浄化され賢いエンジンながら、レッドゾーンは天まで登る9000rpmを固持している。

迎え撃つは、イタリア・サルディーニャ島のターマックだ。

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