[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

国内試乗 アウディA6アバント ​洗練と人工美を称賛 ただしディーゼル求む

2019.05.31

ひとつの頂上を極めているからこその悩み

フロント、リアともサスペンションはダブルウィッシュボーン形式だが、とくにフロントダンパーのストローク長を稼ぐためだろう、縦置きV6ターボのスペース的制約の中で、アッパーマウントがかなり内側に傾けられている。

加えて四輪操舵によるリアステア制御もごく自然なので、当初は大きいと思わされたボディが意外なほど軽やかに動く。ステアリングも中立付近が敏感に過ぎず、だが切り増せばれば素直にゲインを得られる手応え。強いていえば路面フィールは乏しいが、振動や雑味は伝わってこない。

先進運転支援システムはレベル2に留まるとはいえ、レーンキープアシストやアダプティブクルーズコントロールなどの制御の完成度は高い。修正舵の介入も煩わしい感じでなく、バックグラウンドで使うのに問題がない。

ちなみに渋滞時に前走車について再発進可能な数秒間は、「Automatic go」とデジタルメーター内にインジケーター表示されるので、わかりやすい。

A8やA7スポーツバックほど後席やクーペ感重視でないA6、しかもアバントは、スポ―ティな走りと室内の居住性、荷室を含めた実用性の三位一体バランスという意味で、ベントレーのような雲上クラスを除いた、ドライバーズカーとしてひとつのピークを形成しているし、それこそ国産車には求めても存在しない何かだ。

ただし55 TFSIクワトロSラインの完成度の高さを見てしまうと、このクラスとジャンルなら、ディーゼルはどうなのか? そう気になるのが、輸入車SUVでディーゼルが定番になりつつある昨今の、偽らざる心境と気分でもある。

具体的には欧州でトップ・オブ・ディーゼルとなる286ps/63.2kg-mのA6アバント50 TDIだ。

 
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