試乗 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スプリント ハンドメイドの不完全さもそのままに

公開 : 2019.06.04 20:10  更新 : 2021.02.02 12:51

交換用部品がいまでも手に入るという奥深さ

こうして40年ぶりに復活を果たした、シャシーナンバー00024を持つジュリエッタ・スプリントのお披露目として、ヒストリックカー・デイに参加したグレゴリー。「点火系とソレックス・キャブレターのジェットの調整がうまくいき、快走できました。直径の小さいエグゾーストからは、素敵なサウンドが溢れてきます。クリスはサスペンションに手を加えたいようですが、わたしはこの柔らかな乗り心地が気に入っています。コラムシフトの感触が少しゴムのように緩いのですが、距離を重ねている内に良くなってきました」


オーナーのポール・グレゴリーと友人のクリス・ロビンソンは、クルマの調整を加えながら、ハンプシャー州の道をこれまで640kmほど走っている。クルマをシャシーまで当時のままに仕上げたいという追求心は、ここでも課題を突きつけた。

「走行中に発生する気になる振動は、プロペラシャフトのサポート部分から来ていることがわかりました。初期のものはアルミニウム製だったのですが、後により頑丈なスチール製に置き換わっています。代替品への交換は簡単なのですが、驚いたことにイタリアのパーツメーカー、AFRA社から当時の交換用部品を手配できたのです」 レアな部品を入手できたこと自体が奇跡のようでもあるが、ミラノに拠点を置くAFRA社のホームページには、素晴らしいことに1930年代にまで遡るアルファ・ロメオの情報が載っている。


レストア仕立てのアルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スプリントだが、エンジンも組み上がったばかりということで、回転数の上限を3500rpmとしている。そのため走行パフォーマンスも、本領までは充分にテストできていない。「3500rpmというのは、カムに乗ってくる回転数なので、もどかしいですね。量産モデルと比較しても、初期のハンドメイドモデルはかなり軽量なので、計測台で車重を量るのが楽しみです。リアデフの減速比はいまのところ10/41なのですが、66psのエンジンとの相性を考えて、9/41のものも一応用意はしてあります」

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