[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

ロードテスト ポルシェ911 ★★★★★★★★★☆

2019.06.16

内装 ★★★★★★★★★☆

911が最新世代で、高級車志向に舵を切ったかといえば、そこは賛否両論を呼びそうで、正確とはいえないだろう。992カレラSのキャビンは、やはり魅力を感じるほど機能的に感じるし、装備されるシステムはスポーツカー的な魅力を高め、操作がしやすく喜ばしいものばかりだ。その上で、これまでの911からは得ることのできなかった、よりリッチでスタイリッシュ、そして先進的な感覚がある。

計器類はほぼデジタルとなったが、中央に鎮座する回転計だけは例外的にアナログ。これがあるから、ポルシェは見慣れた雰囲気を感じさせるのだ。その両脇に並ぶメーター類は鮮明なデジタルディスプレイで、そこに投影する内容は好みに合わせて変更できる。たとえばナビゲーションのマップを、視線の近くに表示したいのでトリップコンピューターと置き換える、といったことが可能なわけだ。

アナログ表示にした場合には、燃料計と水温計は毎度のごとく、計器盤の外側に配置される。しかしながら、油圧と油温をチェックしようとすれば、そこはアナログ時計に取って代わられていることがわかるのみ。その手の情報をチェックしたければ、メインディスプレイの表示モードをいじって探せということらしい。

シートに座ると、着座位置が低く感じられるよう仕立てられているが、ドライビングポジションを決めてみるとミドシップのスポーツカーほど低くはないことに気づく。視認性は素晴らしく、シートは快適で、横方向のサポートと調整機能は一級品だ。

それより驚かされるのは、質感が飛躍的に向上したことである。992型のダッシュボードは、インフォテイメントディスプレイの下に金属的なトグルスイッチが並ぶが、それは滑り止め加工の仕上げもあって高価な印象を受ける。マニュアル式の空調操作やシフトセレクターも注意深くデザインされたと感じられるもので、その外見は感触的に訴求するのが主たる目的だろうと思わせる。

艶ありブラックのプラスティックパーツを多用しすぎていて、ホコリや汚れが溜まりやすいので、車内をきれいに保つのは大変そうだ。また、911にここまでドレッシーで凝りすぎたインテリアを与えるのはポルシェらしくない。しかし、細かい点にまで気を配った高級で高価そうな内装を人気銘柄のモデルが持つことは、多くのユーザーの心を捉えるだろう。

 
最新試乗記