カーレビュー

2019.06.16

ロードテスト ポルシェ911 ★★★★★★★★★☆

ポルシェ911カレラS

テスト日 : 2019年5月29日

価格 : 9万3110ポンド(約1397万円)

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆

「この上ないシャシー」と、先代991型のそれをわれわれは形容した。そして、全般的に見ると、今回も同じ感想を抱いた。どちらかといえば、むしろ991型のそれより有能だ。広がったフロントトレッドは、公道上でのアンダーステアを明らかに、はっきりと感じられない程度には抑えている。もちろん、ターボが回り、後輪へのトルクがオーバーロードしはじめるまでのことだが。

スタビリティコントロールを切っていても、甘めの中庸セッティングにしていても、その時点では最新の911がいかにバランスに優れ、寛容なハンドリングかと感じるのみ。それは強力なグリップレベルを超えてうまく操縦していても、完全にオーバードライブしても、である。

これは遊べるクルマだが、安定感もしっかりとあり、速い追い越しもアンジュレーションのあるワインディングをきっちりなぞって走るのも、すばらしく正確に行える。ダンパーをスポーツモードにすれば、ボディの上下動はほぼ発生する端から収束し、ピッチやスクウォットへの抵抗ぶりは不気味なほどだ。

などと説明を重ねてみたものの結局は、いつも通りの言い回しで申し訳ないが、新型911はでき過ぎといってもいいくらいだというのが、だいたいのテスターたちの感想だ。シャシーは稀有な精密さと華々しさを備えているが、その際立った特徴を十分に堪能するためにドライバーが求められるものは決してこれまでより大きなものではなかった。スロットルを多少戻せば、やはり走行ラインがとてもタイトになるが、そうでなければ、普通に走っているときのニュートラルさが仇になりうる。ポルシェがより角の取れたマシンを造ろうとしたとは思いがたいが、911の伝統ともいうべきリアエンジンらしさは、これまでに比べれば鳴りをひそめた印象だ。

ポルシェの電動アシストステアリングは、クイックかギア比を得ているが、巧みに調整された四輪操舵と相まって、タイトコーナーでも鞭のようなしなやかさをみせる。前輪の軽い負荷と穏やかなスプリングレートを考えれば無駄に重いようにも思えるが、少なくともリニアさは抜群だ。

 
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