試乗 日産リーフの名を冠した純粋なレーシングマシン「ニスモRC02」

公開 : 2019.06.17 11:40  更新 : 2021.03.05 18:51

未来はあるか?

スプリントレースには必要十分

突然の失速の原因は、通信系のトラブルによりフェールセーフが働いたためと。四つの監視系統のうちのひとつの信号が落ちたのではとのこと。データテレメトリー不調というわけ。上位カテゴリーのレースではテレメトリーを用いてエンジン特性の変更等も可能だが、この機能は電動と極めて相性がいい。

ペダルストロークや回転数(車速)に対するトルク特性を任意で設定できる。応答特性も同様である。もちろん、モーターの限界性能内に限定されるが、コースやドライバーに合わせて自由自在なのだ。この特性はピット側で設定し、車体側に送信される。ドライバーは設定されたモードの中から任意で選択が可能。前記した「20%カットの試乗モード」もそのように設定されたものである。ちなみに前輪駆動/後輪回生(制動)で収束性を、逆にして回頭性を高めるという特性も可能。ブレーキと機械式4WDでも可能だが、効率的にも制御精度的にも圧倒的に不利。RC02はそういったEVの運動性や高効率化を探るためのテストベッドでもある。

スーパーGTドライバーかつ同車の開発ドライバーでもある松田次生選手による袖ヶ浦フォレストレースウェイのラップタイムは1分10秒34。このペースで同サーキットや筑波サーキットの最大周回数を訊いたが、20周はいけるとのこと。ラップが遅くなればもっと伸びるとも。ならばスプリントレースには十分である。

高度な電子制御の塊。バッテリーの管理も含めればアマチュアには到底維持できないが、簡易型の廉価版でも出して、未来志向のザウルスカップでもやってくれないかな、などと勝手に妄想してしまった。

日産リーフニスモRC02のスペック


日産リーフ・ニスモRC02

価格
全長×全幅×全高 4546×1942×1212mm
最高速度 220km/h
0-100km/h加速 3.4秒
燃費(WLTCモード)
CO2排出量(WLTCモード)
車両重量 1220kg
パワートレイン モーター
最高出力 326ps
最大トルク 65.3kg-m
ギアボックス シングルスピード

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