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1970年代の名車 オレンジ色の個性派 BMW CSi アルファ・ロメオ・モントリオール

2019.06.18

プロトタイプのままのようなモントリオール

ステアリングホイールの重さも気にならなくなり、風通しと視界の悪さも許せるように感じられていた。むしろDOHCのV8エンジンのハミングが心地良かった。ZF製のトランスミッションのフィーリングは無骨で、まさにエキゾチックな特別なマシンを運転している、という喜びに満ちた感覚に、完全に心が奪われていた。

アルファ・ロメオ・モントリオールが製造されたのは1971年から1977年の間で、3925台が生み出されている。スリークなボディデザインを手がけたのは、ベルトーネ社にまだ在籍していたマルチェロ・ガンディーニ。1967年のモントリオール万博のために設計された2台のプロトタイプが、その原型となっている。

モーターショーではなく万博ということもあり、アルファ・ロメオは「自動車業界における究極の理想形」といったテーマを汲み取って、自動車メーカーとして当時のドリームマシンを生み出そうとした。その後プロトタイプは量産化されることになるが、1970年のジュネーブショーで発表された姿は、驚くことにプロトタイプとの違いを感じさせないものだった。

エクステリアデザインはアグレッシブでスタイリッシュ。リアクォーター・パネルには6本のベンチレーション用のスリットが入り、ミドシップかと思わせるが、実はフロントエンジン。固定式のヘッドライトの上には、同じくスリットの入ったまぶたが付いている。このまぶたはバキュームポンプで作動し、意外にも上方ではなく、クルリと下方向に回転する。

パールホワイトに塗られたプロトタイプには大柄な直列4気筒エンジンが搭載されていたが、量産モデルではショートストローク化された2.6ℓ DOHCのV型8気筒エンジンに置き換わっており、当時なりに近代化もされていた。ちなみにレスポンスに優れたフラットプレーン式だ。ティーポ33にも搭載されていたレーシング・ユニットで、イタリアのシチリア島で開催されていたレース、タルガ・フローリオや、アメリカのデイトナ、フランスのル・マンなどでクラス優勝を遂げている名ユニットでもある。

スピカ社製の機械式フュエルインジェクションに、ボッシュ製によるコンデンサー・ディスチャージド点火システムを採用。ドライサンプ化されたアルミニウム製のブロックからは、200ps以上を発生させた。技術的にはかなり難しい内容だったといえる。だが、ランボルギーニ・ミウラのコンパクト版のようにも見えるクルマのボンネット内に納まっているエンジンとしては、期待通りでもある。

 
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