水素満タンは3分以下 メルセデス・ベンツGLC Fセル プラグイン燃料電池に試乗

公開 : 2019.06.24 10:10

どんな感じ?

運転感覚はほぼ普通のEV

恐らくメルセデス・ベンツGLC Fセルに乗っている限り、シャシーの内部で未来小説のような電気化学反応が起きていることは実感でないだろう。運転感覚は、一般的なバッテリーを搭載するEVとほぼ同じ。アクセルを踏み込むと静かに発進し、そのまま静かに走行する。

ダッシュボードの12.3インチのモニターを見ない限り、モーターを動かしている電気がバッテリーと燃料電池のどちらから供給されているのか、想像もできない。ふたつの動力源の滑らかな推移を表現する際に「シームレス」という言葉を用いるが、GLC Fセルほどピッタリと当てはまる例はないだろう。

走行パフォーマンスは、ジャガーIペースほどしびれるものではないが、フォルクスワーゲンeゴルフなみに活発。クルマの性格や存在を考えると、違和感ないほどに走る。ドライビングモードを「ダイナミック」にすると、アクセルペダル操作のレスポンスはシャープになるが、37.1kg-mの最大トルクは常時手中にある。最高速度は160km/hと控えめながら、シングルギアのため、静止状態からスムーズに波に乗るように加速をし続けていく。

一般的なメルセデス・ベンツからイメージする最高速度としては低いが、加速は充分鋭く短時間で160km/hへ到達し、そのままの巡航もいとわない。アウトバーンでも150km/hほど出ていれば、遅くは感じないだろう。また他のGLCとは異なり、Fセルはフロントがコイルスプリング、リアがエアスプリングを採用し、4輪ともにアダプティブダンパーが減衰力を調整する。

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