いつまでもクレイジーな4台 ケータハム・セブン比較試乗 前編

公開 : 2019.06.28 11:10

セブンらしい資質

S3は、フォード製のクロスフローエンジンを搭載していた。ツインチョークキャブレターを装備したこのGTは85psを発生したが、やがてウェーバーのツインDCOEに変わる。ケータハム・セブンは最初、フォードのサイドバルブエンジンを搭載していたが、その後、948ccのAシリーズエンジンが利用可能になるとそれを選ぶようになった。

さらに1340ccと1498ccのフォード製の新型4気筒に代わった後、インテークとエグゾーストが反対側になるようヘッドがデザインし直された。このケントエンジンの腰下は、ロータスとフォードのツインカムエンジンのベースとなり、エランを含め、多くのクルマに採用されている。

今回採り上げる1978年製ツインカムはケータハムのモデルになるが、実質的にはセブンS3の継続モデルであり、ステアリングホイールにはまだロータスのものが用いられている。落ち着いた佇まい、アジャスト可能なシャシー、刈りたての芝が香るような自然との一体感など、セブン独自の資質がすべて残っている。

細長いギアレバーや大きなステアリングホイールなどは強いビンテージ感を漂わせ、頭がむき出しのボルトや鋭いエッジのあるコクピットは未完成な印象を与える。ただし、レシオの低いステアリングホイールはこのクルマに相応しい操舵感で、クラムシェルのフェンダーがロールの度に趣のある動きをする。

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