トヨタ・スープラ vs ポルシェ・ケイマン vs BMW M2 比較 初の大勝負、見事な勝利

2019.06.29

スタイリングはスープラ 実用性も高く

スタイリングとは極めて主観的な評価となるが、それでも、最初に目を奪われたのはスープラだった。このクルマが注目を集め、どこでも好意的な眼差しを贈られるのは、単にスープラが目新しい存在だからというだけでなく、創造性に富んだ美しい曲線と、大胆なラインの組み合わせがその理由だ。

一部過剰とも言える演出や、ボンネットとドアに穿たれたフェイクのベントには興醒めだが、それでも全体としては素晴らしいデザインだと言える。

ドアにストライプのアクセントを与えられ、鮮やかなマイアミブルー(1658ポンド/22万7000円のオプションだ)に塗られていても、スープラの隣では、ケイマンですら単なる景色の一部であり、一方のM2が持つ膨らんだフェンダーと、どう猛さを感じさせるスタンスは十分魅力的だが、飾り気のないスリーボックススタイルのBMWに、他の2台ほどの洗練を感じることは出来ない。

長さのあるスープラのドアを開け、キャビンへと滑り込む(低いルーフには注意が必要だ)と、すぐにこのクルマはスポーツカーであることを主張してくる。

横方に広いフロント視界と、限定されたリアビューは、見晴らしの良いポルシェや、やや高くドライバーを座らせるBMWと比較すると奇妙な感じがするが、低く座らせるスープラのキャビンは居心地が良く、高いトランスミッショントンネルと同じく高さのあるウインドウラインに囲まれた、落ち着くことのできる場所でもある。


ケイマン同様、足を投げ出すようなドライビングポジションは、まさにこのクルマに相応しいものであり、M2のキャビンでも同じように寛ぐことは出来るが、他の2台を経験したあとでは、包み込まれるというよりも、単に座っていると表現したほうが適切に感じるだろう。

スープラでは、BMW由来のスイッチギアの質感がやや気になるが、キャビンの適切な位置に上手く配置されており、すぐにその出自など忘れてしまう。さらに、トヨタのTouch 2と呼ばれるインフォテインメントシステムにイライラさせられてきたひとびとも、BMWのより直観的な操作が可能なiDriveが搭載されていることには感激するに違いない。

なによりも、BMWとの共同開発を行ったことで、インテリア全体に見事な質感がもたらされており、ほぼポルシェ同等のクラス感を感じさせる。

ケイマン同様、非常に実用性に優れたモデルでもある。数多くのカップホルダーや大型グローブボックス、使い勝手の良いドアポケットに、幅の狭い大型ハッチバックドアの下には、290ℓのトランクスペースを確保している。

容量では劣るものの、ケイマンもふたつのトランクスペースを確保していることで、より多くの荷物を運ぶことが可能だが、もし、より多くのひとと荷物を運ぶ必要があるのであれば、4シーターのM2が唯一の選択肢となる。それでも、この3台すべてが日常における十分な使い勝手を備えたモデルだと言える。

 
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