トヨタ・スープラ vs ポルシェ・ケイマン vs BMW M2 比較 初の大勝負、見事な勝利

2019.06.29

見事なしなやかさ サウンドには不満

実用性についてはこれで十分だろう。ここからが本番だ。

まずはスープラだが、このクルマで最初に驚かされるのは、見事に路面不整に追従するそのしなやかさであり、衝撃吸収性能はやや硬く感じるが、より締め上げられた脚を持つ快活なBMWに比べれば、スープラはまるでエグゼクティブサルーンのようであり、どんな鋭い路面不整もものともしない、素晴らしいセッティングを与えられたアダプティブダンパーを備えたケイマンでさえ硬いと感じるほどだ。

3台すべてが、ロードノイズをほぼそのままキャビンへと伝えて来るために、どのクルマも決して安楽なモデルではないが、ウェールズへと向かう長旅では、しなやかで長い航続距離を持つスープラ(TFT液晶の表示によれば、113km/hでのエンジン回転数は1800rpmだった)が、もっとも快適だった。

だが、だからと言って、スープラがしなやかさを優先した快適なだけのモデルだなどと勘違いしてはいけない。このクルマは必要に応じてハードな走りにも見事に対応してみせる。

BMW製B58 3.0ℓユニットは、50.9kg-mの最大トルクをわずか1600rpmから発生させ、その幅広いトルクバンドによって、直線であれば至極容易にどこからでも驚くほどの加速を楽しませてくれる。


事実、低中速域であれば、よりパワフルなエンジンを積んだBMW同等の力強さを感じさせ、クロスした8速オートマティックギアボックスと、キビキビとしたスロットルレスポンス、さらには、接地性に優れたマルチリンクのリアサスペンションが、このクルマにさらなる魅力を与えている。

だからこそ、スープラのエンジンサウンドには納得できない。レッドライン手前、最後の500rpmではやや回転上昇が鈍るものの、滑らかでどこまでも回っていく様なエンジンであるにもかかわらず、ドライバーの耳に届くのは、まるでエンハンサーが付いているかのような、奇妙に合成されたようなサウンドであり、決して不快なわけではないが、このクルマの目指しているところを考えれば、より本物のエグゾーストこそが相応しいはずだ。

さらに、このクルマのドライバーは、M2が積むBMWモータースポーツ謹製S55直列6気筒のような、天井知らずの回転上昇と、トップエンドでの力強さ、そして思わず何度でも聞きたくなるようなメカニカルサウンドを求めずにはいられないだろう。

 
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