トヨタ・スープラ vs ポルシェ・ケイマン vs BMW M2 比較 初の大勝負、見事な勝利

2019.06.29

優れたハンドリング 荒れた路面は苦手

それでも、われわれはウェールズに広がる渓谷の奥深くまで辿り着いたのであり、荒れた路面のブラインドコーナーでは、一瞬たりとも気を抜くことなど許されない。そして、確かに動力性能は重要だが、ここで試されるのはハンドリングであり、特にスープラの持つ能力には驚かされることとなった。

小さなフロントウインドウから伸びるボンネットの視覚効果によって、このクルマは他の2台よりも大きく感じられるものの、スープラは従順で見事なドライビングを楽しませてくれる。

3台でもっともクイックで重みのあるステアリングで、正確にアペックスを狙うには慎重な操作が必要とされ、スープラはケイマンほどのドライバーとの繋がりは感じさせてはくれないものの、それでも、ミシュラン・パイロット・スーパースポーツ(M2も同じようなタイヤを履くが、サイズはより低扁平なものだ)が発揮するグリップの状態は、ステアリングを通して十分にドライバーへと伝わってくる。

実際、公道上でアンダーステアを感じることはほとんどなかった。この見事なハンドリングとショートホイールベースの組み合わせによって、スープラでのコーナリングは、ポルシェよりもゆっくりとして、より大きなロールを伴いつつも、十分な機敏さを感じさせながらアペックスへと向かって行く。

そして、コーナーでは、その有り余るパワーによって、スロットル操作でのラインコントロールも可能であり、比較的柔らかいリアサスペンションと、275サイズのタイヤによって、十分なトラクションを得ることができる。


もちろん、必ずそうしなければならない訳ではないが、ドリフトも可能なスープラであれば、望めばコーナー出口でより積極的な姿勢を創り出すことができ、すべてはドライバー次第だ。さらに、ブレーキも素晴らしい。ケイマンほど強力でフィールに溢れているわけではなく、低速では急な効きを見せることもあるが、高速からのブレーキングでは、見事なペダルフィールと力強い減速力を発揮する。

単にボディサイズを拡大させたGT86(日本名:86)ではないが、まったく共通点がない訳ではなく、ファン・トゥ・ドライブな走りを、比較的高い速度域で味わうことが出来るのがスープラなのだ。

そして、それは荒れた路面での挙動にも通じており、こうした場面では、トヨタがスープラで目指したものが試されることになる。まったく予想外というわけではなかったものの、例えもっとも硬いスポーツのセッティング(スープラでは選択可能なモードは限られており、スポーツとノーマルのふたつだけだ)を選んでも、縦方向の激しいボディの動きを抑えるのに、このクルマのアダプティブダンパーはやや戸惑いを見せる。

それは、パッシブダンパーを採用しているBMWも同様であり、10点満点中、9点の評価が与えられる素晴らしいモデルではあるものの、少なくともこうした道で激しいドライビングを試してみれば、その重量と高い重心位置によって、時おりバンプストッパーに底付きする様子を見せ、荒れた路面が落ち着きを失わせる。

 
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