ロードテスト ランボルギーニ・アヴェンタドール ★★★★★★★★☆☆

2019.06.30

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

SVJは自然吸気の6.5ℓ4カム60°V12エンジンのみを動力とした、おそらくランボルギーニにおける、電力アシストでのエミッション改善を図らない最後のフラッグシップとなる。この高回転型のL539ユニットは、2011年に登場したアヴェンタドールLP700-4のために新設計された700ps仕様がオリジナルで、その後はLP750-4SV用に750psへチューンナップされて使われ続けてきた。

今回は新型のチタン製吸気バルブ採用や内部フリクション低減が施され、8500rpmで770psを発生。トルクはカーブがフラットになり、ピークは6750rpmで73.4kg-mに達した。車両重量の公称値は、乾燥重量で1525kgといい、パワー・ウェイト・レシオはトン当たり505psと驚異的な数字だが、それでもより小型な二輪駆動で、しかも過給ユニットを積む488ピスタや720Sの558psには及ばない。

ボディ周りでは、ウラカン・ペルフォルマンテから導入された先進空力デバイスのALAことエアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァを採用。このシステムがオフでも、SVJのダウンフォースはアヴェンタドールSのほぼ5割増しだが、各部のベントを開くことでリアウイングの機能を弱め、ドラッグを減らして直線でのスピードを向上させる。また、コーナーの向きに合わせてエアを左右へ偏向させるウイング内部の通気経路も備える。

ランボルギーニによれば、これらによってSVJはワイドなフロントを、ほかのクルマで必要とされるより小さな転舵でコーナーへ放り込むことができるという。これによりドライバーは早めにスロットルを開け、脱出スピードを最大化できるのだ。

ボディパネルの下には、カーボンモノコックと、それに剛結されるアルミのサブフレームが。サスペンションはアヴェンタドールの特徴のひとつである、ダンパーとスプリングをインボードマウントしたプッシュロッド式ダブルウィッシュボーンを採用する。比較的穏やかなスプリングレートはアヴェンタドールSVから受け継がれたが、磁性流体ダンパーは50%、スタビライザーは15%、それぞれ硬められ、サーキット志向の足回りとなっている。

四輪操舵は、可変レシオの電動油圧ステアリングと連動。ハルデックス・カップリングのセンターデフは3%、リアへ送る駆動トルクを増加し、それを機械式LSDが、左右に履いた355セクションのピレリPゼロ・コルサへ分配する。テスト車は、オプションのピレリPゼロ・トロフェオRを装着してサーキットテストを行ったが、このタイヤがニュルブルクリンクでのSVJのタイムをだいたい10秒短縮するとか。カーボンセラミックブレーキは標準装備だ。

もし、そのほかの素晴らしいメカニズムに対し、明らかに見劣りする部分を挙げるとするならば、トランスミッションだろう。フェラーリが10年ほど前に使うのをやめたロボタイズドMTを、ランボルギーニはいまだに使い続けているのだ。ただし、その7速ISR(インディペンデント・シフティング・ロッド)ギアボックスは、セッティングのさらなる最適化が図られているという。

 
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