ロードテスト ランボルギーニ・アヴェンタドール ★★★★★★★★☆☆

2019.06.30

内装 ★★★★★★☆☆☆☆

SVJに乗る機会はなくても、キッチンテーブルの下にチャイルドシートを置いて座ってみれば、だいたいどんな環境かシミュレートできる。ルーフはありえないほど低く、マクラーレン720Sと比較してもさらに60mm下回る。そのため、カーボン製タブは、シートを低く沈み込むように設置することが求められた。720Sのように、広くて乗降性にも優れた本格スーパーカーがあることを考えれば、まるでランボルギーニがわざと暗く気後れするような雰囲気を作り出しているようにさえ思えてしまう。

もちろん、意図的な部分はあるだろう。室内は、ドラマティックなムードを漂わせている。風変わりなまでに個性的で、この上なく一途だ。幅広く高いトランスミッショントンネルの脇には小物入れが用意されるものの、せいぜいパスポートくらいしか入らないと思わせるほど小さく、しかもそれがほぼ唯一の収納スペース。グローブボックスさえないのである。脱いだジャケット程度なら、ヒーター付きの電動シートの背後に押し込めなくもないが、荷物はボンネット下の小さなラゲッジスペースに入れるのが現実的だ。それでも、容量はせいぜいフルフェイスのヘルメット2個をどうにか収める程度。この点では、劇的なボンネットスクープを備える488ピスタにさえ劣るほどだ。

キャビンそのものは、これまでのアヴェンタドールとそう変わらない。ただし、より広い範囲にアルカンターラが張られ、艶のあるカーボンパネルに置き換えられたドアの内側にはハンドル代わりにレザーのループが備わる。ステアリングコラムの調整幅も、肘周りのスペースも十分だが、頭上は堪え難いほどきつく、背の高いドライバーはシートを思い切り下げなくてはならないだろう。テスト車にはオプションの多機能ステアリングホイールが装着され、その向こうではカーボンのカウルに囲まれたTFT液晶の計器盤が光る。既存モデルと同様、グラフィックは華やかだがビジーすぎだ。スイッチ類の多くは2世代くらい前のアウディに使われていたようなもので、ウラカン・エボに導入された大画面のセンターディスプレイは採用されなかった。ハードウェアでもエルゴノミクスでも、設計年次の古さを感じさせる。

そうした欠点の数々も、劣悪な視認性に比べれば取るに足らないことだろう。手の込んだ造形のエンジンカバーを取り付けたことで、ドライバーの耳より後ろにはかなりの死角が生まれている。もっとも、ディアブロ・イオタ辺りは、ルームミラーに外の景色など写りはしなかったものだが。さらに強烈な傾斜がついたAピラーは、ローマ様式の支柱のごとく視界をふさぎ、フロントウインドウが低いので、信号機は6mほど離れないと見えない。慣れるのは難しいかもしれないが、それを我慢するだけの価値はある。

 
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