[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

VWの第3章の幕開け 初試乗 フォルクスワーゲンID 3プロトタイプ 58kWh

2019.07.08

VWらしい乗り心地の獲得はこれから

滑らかで無駄のない垂直方向のボディコントロールが生む、しなやかな乗り心地はフォルクスワーゲンのクルマに期待する動的性能のひとつだと思う。しかし、ボディが小さく車重がかさむこのEVの場合、充分な水準にはまだ届いていないようだ。

今回の試乗はあくまでも限定された道路での、低速域が中心だったから、体感できた部分もごく一部ではある。しかし、ID 3へエンジニアが手を加えなければならない箇所は、まだまだある印象だった。もっとも、20インチの大径ホイールを履いたコンパクトカーに、フォルクスワーゲンらしい高水準な乗り心地を与えることは簡単ではないだろう。

ロードノイズは抑えられていたものの、特にセカンダリーライド、細かな突き上げなどに関しては落ち着きがない様子。少なくともダンパーを煮詰める作業は、優先順位として上がるべき項目になるだろう。

EVのパフォーマンスとして重要な要素に、航続距離があるが、それはより確実な情報を待つしかない。試乗車には58kWhのリチウムイオン・バッテリーが搭載されていたが、充電率90%の状態で、走行可能距離は300kmと表示されていたようだった。しかしこの数字はかなり積極的に走らせた場合の、実際より控えめに算出された数字だと思う。

試乗では市街地を65kmほど走行させたのだが、バッテリーの残量は75%と表示され、残りの走行可能距離280kmとなっていた。そこから算出すると、日常的な利用で320kmから400km程度の距離が走行可能ということになる。おそらく実際の交通状況で使用しても、現実的な数字といえるだろう。さらに大容量の77kWhバッテリーを搭載するグレードなら、480km以上の航続距離も充分期待できそうだ。

 
最新試乗記