車高の高いM3 初試乗 新型 BMW X3 Mコンペティション 一般道で評価 Mの本気度

公開 : 2019.07.11 10:10

意のままのスロットルレスポンス、優れたドライバビリティ

メカニカルな詳細を見ていくと、クランクシャフトとピストンは鍛造品。シリンダーヘッドは軽量化が図られ、一部のパーツは3Dプリンターによる出力部品だという。

2基のモノスクロール・ターボチャージャーにはインタークーラーが組み合わされ、ブースト圧は2.3barに設定。必要に応じて従来以上のパワーを即時的に発生できるように、様々な技術が投入されている。一方で、従来のM4 GTSに採用されていた、シリンダー内に冷却水を噴射しエンジンを冷却する、ウォーター・インジェクション・システムは不要になっている。

実際に走らせてみると、2tに迫る車重のSUVながら、エンジンの力強さは6気筒の想像以上。スペックシートに記載されている数字の大きさを実感できる。またS55と比較して、直6に期待する個性豊かなエンジンノイズも、若干ながらボリュームアップしたようだ。回転数の上昇に合わせて得られるパワーデリバリーのバランスも、3000rpm以下の低回転域から7000rpmにヒットするまで極めて優秀だといえる。

ライバルモデルが搭載するターボエンジンの中にはより中回転域でパワフルなものもあるし、回転上昇がドラマチックなものや、レッドゾーンへのクライマックスに心躍るユニットもある。しかし、S58ユニットほど、意のままのスロットルレスポンスが得られ、優れたドライバビリティを提供してくれるものは他にない。

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