ロードテスト メルセデス・ベンツGクラス ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2019.07.28 09:50

内装 ★★★★★★★★☆☆

よほど背が高くなければ、Gクラスに乗るのは、よじ登ると表現するのがふさわしいだろう。しかし、ありがたいことにサイドステップが標準装備されている。地上高が高いので、そのぶん頭上が狭いのではないかと予想するかもしれないが、乗り込んでみるとそんなことはない。室内の居住スペースは、前席の肘周りが約70mm、後席のレッグルームが約150mm、それぞれ拡大されている。過去のモデルにはなかった、高級SUVにふさわしい広さを得た。

英国仕様のGクラスには、インフォテイメントシステムのコマンド・オンラインと、ワイド画面のデジタル計器盤が標準装備される。ステアリングホイールにはさまざまなスイッチが据え付けられ、数十年にわたって慣れ親しんだGクラスのシンプルさは影を潜めた。メーターディスプレイは鮮明で表示の調整ができ、インフォテイメントシステムの使い勝手は実にすばらしいが、これは入力や操作の方法の選択が的確だからだ。

目新しく豪華なデジタルテクノロジーを別にしても、インテリアで目を引く箇所は多い。マットクローム仕上げの送風口や、ダッシュボード上に据えられるフロントのウインカーに似せた形状のスピーカーグリル、センタークラスター中央に配置された3つのデフロックの操作スイッチなどだ。そのスイッチの目立ちぶりは、使用頻度を考えると重要さを誇張しているように思えるが、たしかにその機能は、Gクラスのキャラクターとは切っても切り離せないものでもある。

質感は、メルセデスのマテリアルのリッチな手触りやフィッティングには明白な要素だが、このクルマのそれはほんのわずかだが、最新の10万ポンド(約1500万円)級のクルマに期待するより低い。ただし、多くのひとびとは気づかない程度の小さな差だ。対して、実用性の支障になるのが、横ヒンジのバックドアだ。サイズの大きいスペアタイヤを取り付けるには必要だが、狭い駐車スペースで開くには大きすぎる。誰もが、常にこのサイズのクルマを探しているというわけではない。

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