英国におけるGT-R「ゴジラ」 ハコスカ+R32スカイライン 50周年比較試乗 後編

公開 : 2019.08.04 07:50  更新 : 2020.12.08 10:40

いかにもターボエンジンなパワーデリバリー

ステアリング操作でキャンバー角が変化することもない。GT-Rの優れた正確性でライン取りも自在。充分に軽いステアリングは、親指と人差指で軽く握ることを可能とし、指先で路面やタイヤからの情報をしっかり読み取ることができる。間違いなく機敏で、路面を確実に掴み続けている感覚がわかる。よりハードに攻め込んでも大丈夫だと、クルマが教えてくれているようだ。

BR26の工場出荷時の公証最高出力は280psとなっていたが、それは当時の日本の自動車メーカーが取り決めていた自主規制による数字。実際には320psほどは出ていたそうだ。今回のクルマの場合、ニスモ社製(日産モータースポーツ・インターナショナル)による手が加えられており、385psにまで強化してある。GT-Rの場合、むしろモディファイされていないクルマの方が珍しい。

パワーデリバリーは、期待通りというべきか、いかにもターボエンジン。2000rpm以下ではドラマチックな出来事は起きない。アクセルペダルを踏み込むと、ブースト圧が高まるのに合わせて直6はみるみると力を増していく。4000rpmに達する頃にはGT-Rの加速は本気の領域に届く。ただ、ハイチューンのターボエンジンにありがちな、突然蹴られるような感覚はなく、あくまでも漸進的にパワーが増していく。ブースト圧の上昇をうまく隠し、リニアな加速度を生む。

何より驚いたのは、その圧倒的な加速が7500rpmまで霞むことなく続くこと。適度に軽く正確なタッチのレバーを操作してシフトアップ。一瞬ブースト圧が抜けて、ホイッスルのようなひと鳴きを発する。次のギアがエンジンを5000rpmで受け止め、次の加速に備えてくれる。高ぶる気持ちを抑えつつ、少しスカスカなフィーリングのあるアクセルペダルを、床まで深く蹴り込む。

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