レアなRRロケット3台 サンビーム・インプ/ルノー8ゴルディーニ/NSUスプリンツ 後編

2019.08.18

リアタイヤのネガキャンと四角いボディ

プリンツ1200TTの空冷式SOHCユニットより洗練性ではやや劣るようだが、4000rpm以上で響かせるエンジンサウンドはかなり勇ましい。加速もエネルギッシュで、トランスミッションもリモート式変速のものに交換してあり、精密にシフトアップしていく。思わず笑みがこぼれてしまうほど、徹底的に仕上げられたクルマだ。

もしリアタイヤのネガティブキャンバーと、運転の楽しさとに関係性があるのなら、ナイジェル・パッテンがオーナーの1965年式ルノー8ゴルディーニは、その代名詞。ゴッティ・ホイールで足元を決めた、このグループ2 1300ゴルディーニは、ターマックラリーやヒルクライムに毎年参戦しているそうだ。レストアは1982年には仕上がっていたとのこと。ズングリとした四角いプロポーションと深い青色のボディに、心が奪われる。

インテリアはやや雑然としている。ダッシュボードの上には後付けの補助メーターが並び、ドライバーの視線を奪う。車内は激しい走行で巻き込んだホコリと、かすかなガソリンの香りで包まれている。バケットシートに5点式ハーネスで身体を固定する。着座位置は高く、プリンツ1200TTよりもルノー8の方が、幅が狭いような錯覚を生む。肉厚なステアリングホイールはだいぶ手前に位置し、胸筋でステアリングを操作せきるかもしれない。フロアから伸びる、長くカーブした5即マニュアルのシフトノブを握る。

トランスミッションからメカニカルノイズが立つが、すぐに121psの4気筒エンジンが発するガラガラ声にかき消される。ボンネットが穏やかに動く。ステアリングには、タイヤからの豊富な情報が伝わってくる。フロントノーズの動きは機敏で、ボディロールは殆ど生じない。

レーススペックのクラッチは突然つながり、長いシフトレバーの操作も難しい。2速を選択する際、ロックされていないリバースにうっかり入れないように、注意が必要なのが厄介だ。サーボアシスト付きのディスクブレーキは良く効く。スピードを上げるために、弾けるように変速を繰り返す。

 
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