ロードテスト フェラーリ488ピスタ ★★★★★★★★★☆

2019.08.18

意匠と技術 ★★★★★★★★★★

360CSで軽量オプションをすべて選んだ場合、ベースとなる360モデナとの重量差は110kg、458スペチアーレと458イタリアの重量差は90kgだった。

488ピスタは軽量オプションを装備した場合、488GTBから90kgのダイエットを果たした1385kgというのが公称値。テスト車の実測値は1465kgだが、これは満タン状態での数値で、2016年にテストした488GTBがほぼ同じ条件で1555kgだったことに照らすと、フェラーリの発表に偽りはないといえる。

3.9LのV8は6750〜8000rpmで720psを、3000~3200rpmで78.5kg−mを発生する。
3.9LのV8は6750〜8000rpmで720psを、3000~3200rpmで78.5kg−mを発生する。    Luc Lacey

フロントアクスルより前のボディワークは、完全に新デザインだ。カーボンのボンネットとバンパーの下には、両サイドにラジエーターを配置。GTBでは前傾していたそれは後方へ傾けられ、冷却効率と空力の改善が図られた。

リアでは、カーボンのバンパーとスポイラーがわずかながらも重量削減に貢献し、プレクシガラスのエンジンカバーもグラム単位ながらウェイトを削っている。

バッテリーはリチウムイオン、オプションのカーボンホイールもテスト車には装着されていた。ただし、通常のアルミより40%軽いというそれは、撮影用車両には装備されていない。

エンジンは、レース車の488チャレンジ用をベースに、市販用に仕立て直した3.9Lの90度V8。軽量フラットプレーンクランクシャフトやインコネルの排気マニフォールド、軽量なフライホイールとシリンダーライナー、チタンのコンロッド、新型のバルブとバルブスプリングを採用した。

これらによって、重量は488GTBのそれより18kgのカットを達成。圧縮比の引き上げと吸気経路の短縮もあり、6750〜8000rpmで720psを、3000rpmで78.5kg−mを発生する。

ただし、トルクは選択したギアに応じて電子制御され、エンジンのパフォーマンスをよりプロッグレシブに感じさせるよう演出されるため、実際に最大トルクに達するのは7速走行時のみ。これは488GTBと同様だ。

サスペンションについては、SCM−Eアダプティブダンパーの再チューニング版と、10%ハードなコイルスプリングを装備。フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE)と呼ばれる横方向の挙動をコントロールするデバイスも採用するが、これはかすかにブレーキを効かせて、旋回ラインを調整し、電子制御デフ(eデフ)のトルクベクタリングとも協調する。

ブレーキのサーボも488チャレンジ譲りで、専用の空力デバイスの多くもまたこのレースカーにインスパイアされたもの。ボンネット前端のSダクトや、フロントバンパー左右のウイングレットとダクトはダウンフォースを生み、アンダーボディにも数々の変更が施された。リアには拡大されたウイングと、可動式ディフュザーを装備。488GTBに対して、空気抵抗を増すことなくダウンフォースを20%高めている。

 
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