日産ジューク・プロトタイプに試乗 発表は9月上旬を予定 コンパクトSUVを再発明中

公開 : 2019.08.21 10:49  更新 : 2019.08.21 11:38

インテリアの質感は大幅に向上

インテリアの品質は明確に向上を果たした。英国ではエントリーグレードとなるビスタでも、ダッシュボードはソフト加工された表面を得ている。アクセンタとNコネクタという中間グレードが人気となるはずだ。デザインは曲面が多用され、細いラインが重なり合った化粧パネルがダッシュボードに張られており、ドアの内張りにも反復。センターコンソールやパワーウインドウのスイッチ周り、エアベントのトリムは、メタリックグレーで塗装されている。

英国でのトップグレードはテクナ・プラスになるが、オプションとしてミッドナイト・スタイリング・パックが選べる。3種類用意されるパーソナライズ・パッケージのひとつで、コントラストのあるインテリアのステッチ、アルカンターラの内装とグロスブラックのトリムなどを装備。全体として、現行型よりもプレミアム感を感じられる仕上がりとなっている。

日産ジューク・プロトタイプ
日産ジューク・プロトタイプ

インフォテインメント・システムも進化した。モニターは8.0インチになり、ガラス製のカバーが付く。アップル・カープレイとアンドロイド・オートの他に、8台まで接続可能なwifiに、通信機能として4G回線のシムも内蔵。ナビゲーション用地図のアップデートのほか、グーグルストリートビューや交通情報などのデータ通信も可能となっている。

日産コネクテッドカーサービス・アプリを用いれば、ジュークの位置と速度を遠隔で確認できる。子供にクルマを貸したときなどに役立つだろう。このアプリを用いれば、リモートでドアのロックも可能。グーグル・ホームアシスタントと同期させて、「グーグル、タイヤの空気は補充したほうがいい?」といったコマンドを最大で20種類利用できる。追って35種類まで増えるようだ。

車内空間は拡大しても乗り心地は要改善

新ジュークはステアリングホイールのチルト(上下)に加えてテレスコピック(前後)の調整も可能となった。後部座席の膝周りや頭周りが拡大したことで、車内空間は身長180cmの大人でも4名が充分に座れるように広がっている。ラゲッジスペースも354Lから422Lへと増加。ラゲッジスペースのフロア高の調整も可能で、スペアタイヤを積まなければ、フロア下の空間も荷室として利用可能となる。

運転した印象が気になるところだと思う。AUTOCARを愛読してくれているのなら、現行型ジュークの個性的なエクステリアだけでなく、ダイナミクス性能での特徴についても触れてきたことはご存知だろう。現行型の発売当時の試乗では、テスターのひとりのマット・プライヤーが、タイヤの空気圧が高すぎないか確認したほど。それほど落ち着きのない乗り心地だった。

日産ジューク・プロトタイプ
日産ジューク・プロトタイプ

今回の試乗はあくまでもプロトタイプによる短時間で、英国ミルブルックの丘陵ルートを、日産の担当者がドライブする先行車を追走するという内容だったから、明言は難しい。だが、細かな衝撃を受けた際の吸収性、セカンダリーライドに関しては改善している様子。その反面、急な起伏の変化などに対応するプライマリーライドの面では、まだ詰めが甘いようだった。

今回の試乗車は、欲張った19インチという大径ホイールを履いていたことも理由だと思う。控えめな17インチのホイールに肉厚のタイヤを履かせて、サスペンション・スプリングとダンパーの設定を改めれば、スムーズになるだろう。だが、サスペンションはすでに開発が終了しているようだ。

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