年中楽しめる超高性能 アウディRS7スポーツバックに試乗 マイルドHVで600ps

公開 : 2019.10.08 09:50  更新 : 2019.10.08 11:13

個別設定可能なドライビングモードを追加

新しく追加された2種類のドライビングモードは、RS7の走りを特別なものにしてくれる。BMW Mモデルの機能に影響を受けたのか、アウディ・スポーツも個別にサスペンションやステアリングの設定登録が可能なモードを用意されたのだ。

オート、ダイナミック、コンフォート、エフィシェンシーの通常のプリセットの他に、「RS1」と「RS2」として登録が可能。ステアリングホイールに配されたスイッチで簡単に呼び出すことができる。

アウディRS7スポーツバック
アウディRS7スポーツバック

複雑さは増すが、ステアリングやトランスミッション、サスペンション、エンジンなどを個別に設定し、組み合わせることが可能。色々触っていると偶然に自分のベストの設定も見つけられるだろうから、1度登録すれば次回からはすぐに設定を決められる。

標準のオートかコンフォートモードでは、エンジンは控えめなひと吠えとともに目覚める。フルスロットルを与えない限り、全域に渡って静かで滑らかにエネルギーを発生してくれる。

ダイナミックモードを選ぶと、少し音量が大きくなり魅力的になるものの、ライバルモデルと比較するとまだ穏やかな方。突出した走行パフォーマンスも発揮できるが、並み居るライバルの中で際立った存在というわけではない。間違いなく、信じられないほどに速いけれど。

アウディらしい点としては、その先がどんな路面であっても、最小限の労力で走破できるところだろう。パワーデリバリーの暴力性自体は控えめで、ハンドリングの安全性と正確性の高さを反映している。だが機敏さも高く、タイトなコーナーでも大柄なクルマの割に扱いやすい。

季節や天候を問わずドライビングを楽しむ

レスポンスで優れた最上位モデルには届かなくても、常にコーナリング時の挙動はコントロールできる範囲に保たれる。ボディコントロールも引き締まったものだが、突っ張るようなフィーリングはない。コイルサスペンションを組み合わせたとしても、充分にしなやかで落ち着いた乗り心地を得ている点も美点。

RS7スポーツバックは、極めて高速での走行を簡単に体験させてくれる。日常的なドライブを、驚くほど機敏なものに変えてくれる。特別な道をスリルを味わいながら駆け抜けるタイプのグランドツアラーではないが、季節や天候を問わず一緒に過ごし、より長い時間楽しさを味わわせてくれるクルマだ。

アウディRS7スポーツバック
アウディRS7スポーツバック

従来どおり極めて高速なアウディでありながら洗練性は一層高められ、ある種の控えめさと独自性を兼ね備えた説得力は充分に高い。アウディRS6アバントという突出した個性派もあるものの、それほど広いラゲッジスペースを必要とせず、クーペのようなエキゾチックなスタイリングが好きならば、RS7スポーツバックは格好の選択肢となる。

BMWのMモデルやメルセデスAMGと比べても、アピアランスの存在感や所有する満足感は引けを取らない。むしろ全天候型のグランドツアラーとして、ドライバーに対してのアピール力で及ばなくても、多くのオーナーにとっては十二分に納得できる仕上がりだといえるだろう。

アウディRS7スポーツバックのスペック

価格:9万5000ポンド(1263万円・予想)
全長:5012mm
全幅:1911mm
全高:1419mm
最高速度:280km/h
0-100km/h加速:3.6秒
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:2065kg
パワートレイン:V型8気筒3993ccツインターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:600ps/6000−6250rpm
最大トルク:81.4kg-m/2050−4500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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