旨味の濃いSUV 新型 ランドローバー・ディスカバリー・スポーツに試乗

公開 : 2019.10.09 09:50  更新 : 2019.10.09 22:11

新しいディスカバリー・スポーツが登場。知的に運転する限り、快適で洗練され、感銘を受けるほど高い完成度を持つと評価する英国編集部。ライバルとなるのはBMW X3です。旨味が更に濃くなった新型を、バルセロナで試乗しました。

見た目以上に中身は一新

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

新しいランドローバー・ディスカバリー・スポーツが登場したが、その変化は見た目以上に含まれている。アピアランスはフリーランダーに代わって2015年に登場したモデルと似通っているが、ランドローバー社のベストセラーだけあって、変更点は多岐に及ぶ。

エクステリアデザインは、従来のディスカバリーから僅かに手が加えられた程度に見えても、骨格をなすアーキテクチャは完全に入れ替わっている。インテリアデザインも、レンジローバーとの共通性を感じられるものになった。

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ RダイナミックS D240 AWD
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ RダイナミックS D240 AWD

当初のディスカバリー・スポーツは、初代レンジローバー・イヴォークも採用していたLR-MSプラットフォームへ大幅に手を加えたものだった。2019年版では、ランドローバー最新のプレミアム・トランスバース(横置き)・アーキテクチャ(PTA)を採用。2代目イヴォークも採用するものだ。

PTAプラットフォームを採用することで、ボディ剛性を高め、車外との隔離感や安全性も向上。開発段階でも重要視されていたであろう、電動化技術の搭載も前提となっている。その結果、複数用意される4気筒エンジンのほとんどに電圧48Vによるマイルド・ハイブリッドシステムが採用された。これもイヴォークと近い内容だ。

エントリーグレードは前輪駆動となり、ハイブリッドが付かない、150psの4気筒ディーゼルに6速マニュアルが組み合わされる。燃費は最も良好で、16.9km/L。二酸化炭素の排出量は140g/kmに抑えられる。

ガソリンは200psと250psの4気筒

4気筒ディーゼルのFF版は、環境負荷の優れた値をパンフレットへ与えたいがために、設定したグレードに思えてならない。多くのユーザーはランドローバーというクルマに期待する通り、ひとつ上の4輪駆動のグレードを選択するに違いない。恐らく。

幅広いグレード設定は、ランドローバーとしては重要だと考えているようだ。4輪駆動モデルにはすべてZF社製の9速ATが組み合わされるが、ディーゼルエンジンは先の150psユニットの他に、180psと240psがラインナップする。

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ RダイナミックS D240 AWD
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ RダイナミックS D240 AWD

ガソリンエンジンには、200psと250psの4気筒がラインナップ。2019年の年末にはプラグイン・ハイブリッドも登場する見込み。今回の試乗車はD240で、240psを発生するディーゼルエンジンを搭載した RダイナミックS。定員は5名だが、オプションで7名にもできる。

4輪駆動システムには、ドライブライン・ディスコネクト・システムも採用。低速走行時は、ディスカバリー・スポーツは前輪駆動状態で走ることになる。これにより、燃費の大幅な向上が期待できるという。試乗車のD240の場合、燃費はWLTP値で14.0km/Lで、二酸化炭素の排出量は187g/kmとなっている。

0-100km/h加速は7.7秒となっているが、その数字ほど速くは感じられない。最大トルクは50.9kg-mもあり1500rpmから湧き出るものの、乾燥重量で1934kgもあるから、余裕しゃくしゃくというほどでもない。

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