新型 日産ジューク 3気筒1.0Lターボに試乗 走りの明確な性格付けが欲しい

公開 : 2019.10.11 09:50  更新 : 2019.10.12 10:05

スタイリッシュなエクステリアに、実用性を高めたインテリアを持つコンパクト・クロスオーバー。ライバルモデルが多い中で、ジュークらしい性格付けが欲しいとする英国編集部。3気筒1.0Lターボガソリンを試乗しました。

当初は3気筒1.0Lターボガソリンのみ

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

新しい日産ジュークが発表された。いまのところ新型は日本へは未導入だが、先代は9年間に渡って生産された。コンパクト・クロスオーバーを広く一般化した、流行の先取りモデルだった。

新しいジュークも初代と同様に背が高めのハッチバック。先代よりボディサイズは成長しているが、巨大になったわけではない。全長は4210mmで、フォードフィエスタとフォーカスの中間ぐらい。リアシートにも大人が充分座れるようになり、荷室容量も20%増えで422Lになった。

日産ジューク
日産ジューク

プラットフォームはルノー・日産・三菱アライアンスによるスモールCMF-Bを採用。ルノー・クリオやルノー・キャプチャーなども採用するものだ。生産は欧州仕様の場合は英国のサンダーランド工場で行われる。

構造は最新といえるものではなく、フロントはマクファーソン・ストラット式、リアはトーションビーム式のサスペンションを備える。横置きされるエンジンは前輪のみを駆動する。

エンジンはいまのところ3気筒の1.0Lターボガソリンのみ。116psの馬力と18.3kg-mのトルクを生み出す。高めのギアに入っている時は、オーバーブースト機能により最大トルクが20.4kg-mまで太くなり、追い越し加速を楽にしてくれる。

プラットフォームは電動化技術の採用も前提となっている。近々ハイブリッド版も追加となるだろう。

ジュークらしいエクステリアデザイン

加速性能は程々で、6速MTの場合、静止状態から100km/hまでに要する時間は10.4秒。7速デュアルクラッチATは1400ポンド(18万円)の追加で選択できるが、100km/hまでの加速時間は0.7秒増える。

燃費はホイールサイズやグレードによって異なるものの、WLTP値の値では15.6km/Lから16.9km/Lとなっている。二酸化炭素の排出量は110g/kmから118g/kmとなる。

日産ジューク
日産ジューク

初代ジュークの販売を牽引したのは、初めは目新しさだったと思うが、その後はデザインだった。当初はかなり斬新なデザインだと受け止められていた。しかしコンパクト・クロスオーバーの人気が高まりライバルが増えると、突出した存在感は販売を後押しすることになった。

新型のデザインも、しっかりジュークらしい。少し昔のSF映画に出てきそうな雰囲気もあり、日産モデルに通じるデザイン要素も感じ取ることができる。リアスタイルはトヨタC-HRとの近さも感じられる。初代ほど好き嫌いが別れにくいデザインだと思うが、いかがだろう。

インテリアのデザインは、やや大人しめ。だが円形の送風口やトリムレベルによっては鮮やかなカラーを配することもでき、表現力は高い。アクティブセーフティ技術と、スマートフォンとの連携もできるコネクティビティ機能も充実している。

シートポジションの調整代は大きく、小径なステアリングホイールが備わる。シフトノブは適度にドライバーに近く、スポーティさを高めたといえそうだ。後方視界は褒められないが、前方視界は良好。ボンネットを見渡せるから、低速域での扱いは同等のコンパクトカーよりも簡単だと思う。

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