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サーキットから公道へ ジャガーDタイプとアストン マーティンDB3S 後編

2019.10.13

100字サマリー

ジャガーDタイプとアストン マーティンDB3Sという、史上最高傑作の1台と讃えられるスポーツカーを揃えて高速道路を快走した英国編集部。当時のレーサーの言葉とともに、個性的な2台を振り返ります。

もくじ

力強い加速と空気を滑らかに進むボディ
対象的な特徴を持つ2台
レーサーからの支持があつかったDB3S
パワーがないぶん、トレーニングになった
DB3SとDタイプ、2台のスペック

力強い加速と空気を滑らかに進むボディ

ジャガーDタイプはキーを回すと燃料ポンプが動き、3基のウェーバー・キャブレターへ燃料を送られたことを確認してから、大きなプラスティック製のボタンを押す。長めのクランキングの後、直6が目を覚ました。助手席側に伸びるマフラーエンドから爆音が轟く。

スピードメーターは180mph(289km/h)まで刻まれている。ジャガーのレーシングチームのボスだったジョン・ワイアーは、ドライバーが高速で走っていることを実感していただろう。エンジンの回転数に気をかけることも重要だった。ジャガーの創業者、ウィリアム・ライオンズはDタイプの最高速度が、販売面でも有利であることを評価していた。

ジャガーDタイプ
ジャガーDタイプ

短いシフトレバーはかなり前方から生え、2速から3速へと変速すると、大きく倒れてトランスミッショントンネルに触れそうに感じる。発進の瞬間からシフトフィーリングは鋭く正確で、ギアチェンジのたびにブリッピングをしたくなる。

エンジンは1500rpmを超えると力強いトルクが湧き出し、スムーズにパワーが発生するため加速も強力。分厚い音質の排気音を発しながら、Dタイプは非常に速く走る。スピードを上げてアクセルを離すと、滑らなかなボディが空気の中を滑らかに進んでいくようだ。

ル・マンの滑らかな路面を優先させたDタイプは、英国郊外の凸凹が多い路面が得意ではない。時折不意に路面に弾かれてボディが振られるが、ラック・アンド・ピニオンの優れたステアリングが付いているから修正も苦ではない。

 
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