EV市場へ小型で高級という新ジャンル

走らせた印象は、しっとりと優しい感じ。ボディが小さい分、キビキビとした身のこなしも味わえる。路面の起伏は柔軟に吸収しつつ、ボディロールはしっかり抑制。大きなタイヤが優れたグリップ力を与えている。

凸凹した区間ではボディが跳ねることもあるが、タイヤが発するノイズは極めて低い。英国に持ち込んでしっかり確かめたいところではある。リアシート周りの空間は、控えめなボディサイズを考えれば充分に広く、荷室空間も奥行きがあり大きい。

ドライビングモードには、エコ、コンフォート、スポーツの3種類を用意。後者に行くほどアクセルペダルの反応が良くなり、ステアリングホイールを操作する重さが増していく。航続距離を可能な限り優先する必要がなければ、スポーツモードが好印象だった。

純EVのDS 3クロスバックEテンスは、魅力的な選択肢だ。EV市場へ、コンパクト・ラグジュアリーという新ジャンルを持ち込んだといえる。しかも価格は、それほどラグジュアリーではない。

駆動装置はプジョーe-208などと共通だから、走行性能も悪くないことは約束されている。注目の高まる純EVのコンパクトカー・カテゴリーは、面白い広がりを見せてきた。

DS 3クロスバックEテンスのスペック

価格：3万490ポンド（423万円・政府補助金適用後）
全長：4118mm（ガソリンモデルの数値）
全幅：1791mm（ガソリンモデルの数値）
全高：1534mm（ガソリンモデルの数値）
最高速度：149km/h
0-100km/h加速：9.0秒
航続距離：321km（WLTP）
CO2排出量：0g/km
乾燥重量：1525kg
パワートレイン：永久磁石モーター
バッテリー容量：50kWh
最高出力：135ps
最大トルク：26.4kg-m
ギアボックス：シングルスピード

画像　DS 3とプジョーe-208　全85枚