もう一度アスファルトへ 1935年製ブガッティ・タイプ59を再生 前編

公開 : 2019.11.17 07:50  更新 : 2020.12.08 10:56

ベイロンの開発者がオークションで落札

クラッシュしたタイプ59は倉庫へ保管され、イーストも数年間はモータースポーツから姿を消す。だが亡くなったベアを追悼する気持ちも込めて、イーストはタイプ59を買い取り、自宅のワークショップでレストアを始める。

「スタッフォード・イーストは優れたエンジニアでした。クラッシュ後のクルマの状態は相当悪かったはずです。復元作業は辛いものだったでしょう」 と話すのはブガッティを専門とするティム・ダットン。

ブガッティ・タイプ59(1935年)
ブガッティ・タイプ59(1935年)

変形していたシャシーは真っ直ぐに戻され、T59の特徴的なテール部分もリベット打ちで作り直された。エンジンはスーパーチャージャーでの過給に戻されたが、プリセレクター・ミッションは残された。

リビルトは1981年に完了。その翌年には著名なジャーナリスト、デニス・ジェンキンソンの立ち会いのもと、32年ぶりに復活した。その後、表にはほとんど姿を見せていなかったが、1993年にアメリカのプレスコットで開かれたタイプ59、59121のミーティングではスター級の扱いを受ける。

2005年にグッドウッドでオークションに掛けられ、トーマス・ブシャーが落札。後にブガッティのボスに就任する、ベイロンの開発をまとめていた人物だ。熱狂的な自動車ファンで、古いマセラティでのレースを楽しんでいただけでなく、マクラーレンF1を通勤に用いていたほど。

その後のタイプ59、59121の再生ストーリーは後編にて。

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