もう一度アスファルトへ 1935年製ブガッティ・タイプ59を再生 後編

公開 : 2019.11.17 16:50  更新 : 2020.12.08 10:56

感動するほどにスムーズで線形的なエンジン

ブガッティ・タイプ59は、1953年当時グランプリマシンとしては時代遅れでしたが、素晴らしいスポーツカーです。軽量なおかげで、ハンドリングやブレーキもとても優れています。特別なカムを組まずともスーパーチャージャーで常にパワフル。感動するほどにスムーズで線形的に力が増していきます」

「タイプ59はタイプ57由来なので、ロードカートしてはとても良く考えられています。デ・ラム・ダンパーはとても上質な乗り心地を叶えていますし、コックピット内の空間にも余裕があります。T51のように、トランスミッションで左足をやけどすることもありません。特有のタイヤからの響きも、タイプ59ならではです」

ブガッティ・タイプ59(1935年)
ブガッティ・タイプ59(1935年)

今後もレースに参加する予定はないものの、ブガッティ・タイプ59、59121には道路での走行が可能な装備は整えられている。スターターモーターに燃料計、消化器。LEDのブレーキライトが、当時物のリフレクターの中に目立たないように埋め込まれている。

米国へ渡ったタイプ59、59121は、定期的にニューヨーク北部のウェストチェスターの街を走っているという。地元のコーヒーショップへ乗り付け、朝食にベーグルを注文したりしているのだろうか。

自宅のガレージに調子のいいブガッティ・タイプ59が停まっていたら、筆者も一度は試してみたいものだ。

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