ガソリン版も小変更 ランドローバー・ディスカバリー・スポーツP200に試乗

公開 : 2019.11.20 09:50

特筆すべき操縦性とオフロード性能

車重が2tもある大きなSUVで、車高も高くオフロード性能も相当な水準にあることを考えれば、この落ち着いた走りは特筆するべきものだ。清々しいほどのコーナリングに、不安感のないグリップ力。ボディロールもよく調整が効いている。

すべてがダイレクトで正確で、適度な重み付けがされたステアリングの操舵感を引き立てている。グリップ力の限界値が近いことはわかりにくいものの、あくまでもファミリー向けSUVだから、さほど問題ではないだろう。

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツP200 AWD S Rダイナミック
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツP200 AWD S Rダイナミック

オフロード性能は素晴らしい。進化したオールテレーン・レスポンス・システムと、改善された前後の重量配分やクルマのバランスが心強い。以前のディフェンダーならドライバーの腕が試されるような地形でも、深さが600mmまでの河川でも、ディスカバリー・スポーツにとっては進路になり得る。

そのかわり、2.0Lエンジンは1826kgもあるボディを動かすのには、少々苦労している様子。すべてが頼もしいわけではない。少々夢中になって郊外の野山や道路を走り回った結果、190kmほどの走行距離での平均燃費は7.3km/Lに留まった。平均速度は61km/hだった。

ディーゼルエンジンを搭載したD180なら、燃費は50%ほど優れているはず。重たいSUVとディーゼルエンジンとの相性の良さを実感させられる。

オンロードでのP200だが、0-100km/h加速9.0秒というカタログ数字ほど元気さはなく、追い越し加速も鋭いわけではない。エンジンは回転数が上がってもスムーズさは変わらない。9速ATは深くアクセルを踏み込んでキックダウンを誘わなければ、基本的に高い段数を保とうとする。

幅広い実力を兼ね備えた結果の車重

一度に何段飛ばしで減速したり、低速域でコースティング状態からアクセルを踏み込んだ際には、若干ATがもたつくことがある。だが、ほとんどのドライバーは気づかないレベルだろう。高速でのクルージングは安楽にこなせる。

もしクルマに高い実用性と走行性能を必要とし、ディーゼルエンジンに抵抗があるのなら、ガソリンエンジンのディスカバリー・スポーツは有力な選択肢だ。燃費は7km/Lを少し超える程度で、パワフルさでは少々歯がゆいこともあるかもしれないけれど。

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツP200 AWD S Rダイナミック
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツP200 AWD S Rダイナミック

ディスカバリー・スポーツP200は、路面を問わず、とても上質な長距離クルーザーとして機能するだろう。荷物も沢山詰めトレーラーも牽引できる。上質な乗り心地でありながらオフロードもいとわず、学校の送り迎えも余裕でこなせる。

1人でコーナーの連続する道に差し掛かったのなら、優れたシャシー性能を楽しんだ走りもできる。軽くない車重が残念とはいえ、これほどの実力を幅広く兼ね備えた結果なのだから、仕方ない。

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツP200 AWD S Rダイナミックのスペック

価格:4万1425ポンド(579万円)
全長:4597mm
全幅:1920mm
全高:1727mm
最高速度:207km/h
0-100km/h加速:9.0秒
燃費:10.9km/L
CO2排出量:208g/km
乾燥重量:1826kg
パワートレイン:直列4気筒ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:200ps
最大トルク:32.5kg-m
ギアボックス:9速オートマティック

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