[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

今あらためて試乗 シトロエン・エグザンティアSX(1995年) ひたすら平滑に、フトコロ深く

2019.11.24

シートとサスが極上の走り演出

シトロエンのクルマは例えスポーティモデルであっても上質な乗り心地が特徴となっている。

その要はハイドロだが、それ以外にフカフカとしていて良く沈み込むシートもシトロエンの味作りに貢献している。

エアバッグ付きのステアリングが90年代を感じさせるインテリア。この個体は5速マニュアル・ギアボックスに換装されている。
エアバッグ付きのステアリングが90年代を感じさせるインテリア。この個体は5速マニュアル・ギアボックスに換装されている。

ダッシュパネルの造形は平凡だし、メーターも普通の文字盤タイプ。エアバッグ付きのステアリングも、もはやシトロエン伝統の1本スポークではない。

そういった逐一の個性は希薄なのだが、布張りのシートは他のネオヒストリックと比べても突出して柔らかい。

クラッチをミートすると、柔らかいシートに腰かけたまま平滑なスケートリンクに滑り出したような不思議な感覚に包まれる。路面は軽くうねっているが、その上を走るエグザンティアはまっ平らな氷の上を滑走しているようにフラットな姿勢を崩さない。

ちょっとの段差はなかったことにしてくれるし、大きな段差は長いサスペンションストロークをめいっぱい使って滑らかに収束させる。

電子制御のエアサスがゴロゴロしている昨今だが、シートの感触を含めたタッチの柔らかさにおいては今なお20世紀のハイドロ・シトロエンに軍配が上がるような気がする。

このうえなく柔らかいのだが、車体の軽いので、少しもダルではないのである。

 
最新試乗記