911の姿をしたモンスター ルーフSCRとCTR アナログ・スーパーカーの挑戦 前編

2019.11.30

農業が盛んな小さな町にあるルーフ社

現代のスポーツカーを持ってしても、ダークグリーンのルーフに一般道で追いつくことは難しいだろう。964型としての見た目やサウンドなど、機械的な雰囲気が保たれている。

ファクトリーの別の場所にはRT12Rがいた。ルーフ製の800psを誇るエンジンが搭載された911 GT2だ。ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェを7分以下でラップするという。ルーフ社を設立したアロイス・ルーフの息子で、現社長の所有車だという。

ルーフ社のワークショップの様子
ルーフ社のワークショップの様子

塗装ブースの外に停まっていた鮮やかなグリーンの356クーペも同じオーナーのクルマ。911の足まわりが組まれ、フラット4は180ps以上にチューニングを受けている。この場所に「普通」のものはない。

ガラス張りの受付の奥から、ニュルブルクリンクでCTRを派手にドリフト走行させたヒーロー、ステファン・ローザが姿を表した。ここにいる人物も特別な人ばかりだ。

ルーフのワークショップがあるのは、ドイツ・ミュンヘンの西、農業が盛んなプファッフェンハウゼンという小さな町。整備士だったルーフがチューニングショップをこの地に設立して、2019年に80周年を迎える。

1949年当時、既にガソリンスタンドが存在し、オクタン価102の無鉛プレミアムが手に入った。目の前には素晴らしい道路が広がり、アウトバーンにもアルプスにもすぐにたどり着ける。ルーフがこの地を離れる必要性を感じなかったことは、誰の目でも明らかだ。

 
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